こんにちは。ツイッターのつぶやき数でテレビ番組の盛り上がりが分かるスマートフォンのテレビ実況アプリ「みるもん」(旧「みるぞう」)開発スタッフのイヨダです。
私はテレビ関連のデータ分析を仕事としていますが、今回「機械学習」という手法を用いて、過去2年分のドラマのデータを基に、この夏放送されているドラマの最終回の視聴率を予測しました。
・初回放送、第2回放送における視聴者のツイートから取り出した18種類の感情成分の量
・初回放送、第2回放送の世帯平均視聴率
・その他のパラメーター
がベースになっています。
「感情成分」とは、ツイートの中に含まれる感情を表す要素のことです。例えば「イライラ」「ムカつく」などの表現が含まれていたら「怒り」、「ドキドキ」「しびれる」などであれば「興奮」という具合です。
実際の視聴率は、裏番組やら天気やら、いろいろな要因に左右されるものなので、本当にこの通りになるかどうかは分かりませんが、一つの予想としてご笑覧ください。
花咲舞が黙ってない(日本テレビ系) 13.5%
デスノート(日本テレビ系) 13.3%
刑事7人(テレビ朝日系) 10.3%
ホテルコンシェルジュ(TBS系) 10.2%
恋仲(フジテレビ系) 9.4%
エイジハラスメント(テレビ朝日系) 8.7%
探偵の探偵(フジテレビ系) 7.8%
ナポレオンの村(TBS系) 7.8%
ど根性ガエル(日本テレビ系) 6.9%
表参道高校合唱部!(TBS系) 6.8%
37.5℃の涙(TBS系) 6.3%
リスクの神様(フジテレビ系) 5.2%
この2年間の傾向として、視聴者が「泣ける」「怖い」「切ない・つらい」「笑える」の4種類の感情を抱くドラマは、視聴率が高くなりやすいようです。
一方、その他の感情成分、たとえば「心が温まる」「(出演者、登場人物が)かっこいい、かわいい」などは、視聴率には比較的貢献しないようです。
今期のドラマで最も「泣ける」という感情成分が強く出たドラマは「表参道高校合唱部!」。私も見ていますが、毎回ベタな展開ながら、ついうるっときてしまいます。ただ「泣ける」と評価されているわりには、予想最終回視聴率は残念ながらあまり高くなりませんでした。
ちなみにこの作品は、「俳優の演技がうまい」という感情成分でも1位でした。主役に大抜擢された芳根京子さんの演技が評価されているのかな?と思いきや、出演俳優の歌のうまさに注目が集まった結果でした。
「怖い」という感情成分が強く出たドラマは、今期はほとんどありませんでした。サスペンス調のドラマが少ないせいでしょうか。今期のドラマは低調といわれていますが、その理由は「怖さ」が足りていないことにあるのかもしれません。
「切ない・つらい」と「笑える」の感情成分が最も強く出たドラマは「恋仲」。「切ない・つらい」はともかく、なぜ「笑える」なの?と思われるかもしれません。これは実は、おかしくて笑っているのではなく、ピュアな青春のシチュエーションにはしゃいで、ついつい「笑」の文字をたくさんツイートしている視聴者が多数いるということです。
ちなみに「恋仲」は、「怒り」の感情成分でも1位でした。怒りの対象はもっぱら、主人公・三浦葵(福士蒼汰)の恋敵、蒼井翔太(野村周平)。憎まれ役のキャラクターづくりが見事に成功しているようです。
【伊與田孝志プロフィール】 データ分析企業データセクション株式会社所属。かつて開発したテレビ実況アプリ「みるぞう」を、「みるもん」の名前で再リリースする一方、テレビ関連のデータ分析分野でも活動中。個人的に最近はまっている番組は、スペインドラマ「情熱のシーラ」(NHK総合)と「廃墟の休日」(テレビ東京系)。