タニケンさんが思う童謡の良さとは?

――そんなタニケンさんが思う童謡の良さとは何でしょうか?

童謡って、100年くらいの歴史があるんですよ。それだけの歴史ずっと歌い続けられる曲と言うのは、素晴らしいことだと思います。

あと、僕の出身地は兵庫県佐用町です。佐用町の近くのたつの市出身で三木露風という方が『赤とんぼ』の曲の作詞した人なんです。だから『赤とんぼ』という童謡に対しては思い入れもありますね。

『フックブックロー』の番組の脚本・作詞をされてた山川啓介さんいう方がいらっしゃって、本名は井出隆夫さんといって『北風小僧の寒太郎』の作詞をされた方なんですけど。

その方とお話しているときに「子どもたちに歌を歌うときは、ちゃんとした日本語で歌いなさい」って教えてもらったんです。

「まだ字が読めないとか、ものごとがわからないような子どもたちにも、ちゃんと言葉で伝えられるような歌を歌いなさい」って。

そういうことを教えていただいたので、古い曲をちゃんとした“言葉で届けたい”っていうのはものすごくあります。今の新しい曲も素敵だけれども。

――では、“うたの店長さん”は童謡の良さ、言葉の良さというものを伝えて行きたい、という活動コンセプトになるんでしょうか?

そうですね。僕は基本的にライブがやりたい人で「ツバのかかるような距離で」ってよく言ってるんですけど、近い距離でみんなに歌を届けていきたいなっていう思いがあるんです。

この『うたの店長さん』も「みんなの街に歌を届けに行きたいんだ」というコンセプトでやっていて。なので、コンセプト自体が僕のポリシーになっているんですよね。

――“うたの店長さん”というネーミングはどういうところから出たものなんですか?

レコード会社の担当の人が考えてくれたんですけど、自分の歌を作って届けるというよりかは“うたのお店”っていう雰囲気がいいなって。

いろんな曲をお店から選んで聴く、みたいな。店長さんがいろんな曲を自分のために選んでくれるよ、って。

――童謡のDJみたいですね!

昔から知ってる曲でも、僕が歌うことで新鮮に感じてくれる歌もあるかもしれない。そこは聴いてそれぞれの感じ方をしてもらえたらな、と。

『あしたははれる』は大好きな曲

――お気に入りの曲や、ライブで歌いたい曲はありますか?

『あしたははれる』っていう曲で、サビのところで「♪好きだから 君が好きだから」って言う歌詞があって。

普段話の会話では「好き」ってなかなか言えないけど、歌の中だったらたくさん言えるというか。そういう意味で『あしたははれる』は大好きな曲。

あと、やっぱりコンサートでは参加型の曲がすごく楽しいです。

『バスにのって』や 『しゅりけんにんじゃ』なども、子どもたちが踊って楽しめるような曲なので、ぜひそういうのはライブでやりたいですね。

「のんびりでいいじゃない」っていう気持ちも込めて歌ってる

――このアルバムを通して、リスナーに対して伝えたいことはどんなことですか?

楽しい時も歌はあるし、悲しい時にも歌はあるし、いろんな時に歌が身近にあるとは思うんです。

僕の“歌”っていうのは基本「明日も頑張ろう」っていう気持ちで歌っていて。

あと「ちょっとのんびり」っていうのもあるかな。やっぱついつい前のめりに生きちゃうこともあると思うんですけど、「のんびりでいいじゃない」っていう気持ちも込めて歌ってるので、ぜひ子育て中のお母さんたちに聴いてほしいんです。

僕はどっちかというと、ガンガン行くタイプじゃないので、そういう意味では“ちょっとゆるいうたの店長さん”でいいのかな、と思っていて。

だから肩肘張らないっていうか……「いいじゃない! ダメでもいいじゃない」くらいのゆるさでいこうと思います(笑)。

――では、ハピママ*読者にメッセージをお願いします。

昔から子どもたちが歌ってきた、口ずさんできた歌は、まだまだたくさんあると思うんですけれども、世の中にあるたくさんの名曲の中からまず今作に収録された15曲+新曲の16曲を、このアルバムに込めました。

だから、ぜひみんな聴いて、一緒に歌ってくれたら良いなって思います!

うたの店長さん タニケンのすてきな歌がそろっています
Suteki Song Shop~あしたははれる

1. ステキ ソング ショップ
2. あしたははれる
3. どんな色がすき
4. 青空しんこきゅう
5. バスにのって
6. しゅりけんにんじゃ
7. 夢をかなえてドラえもん
8. 童謡メドレー(春が来た〜うみ〜紅葉〜北風小僧の寒太郎)
9. 故郷
10. ジューキーズ こうじちゅう!
11. ぼよよん行進曲
12. 小さな世界
13. なかなか・なかなおり
14. ありがとうの花
15. きみとぼくのラララ
16. フレ!フレ!大丈夫!

毎週(金)18:00配信中!すくいくYouTube「うたの店長さん」

 フリーランスエディター・ライター。原宿系ファッション誌の編集者などを経て、2014年独立。ファッション、アニメ、マンガ、ヴィジュアル系、腐女子などのカルチャー分野について執筆。