“めんどくさい人”の対処法

眉村ちあき 撮影:稲澤朝博

――このサイトの読者は人間関係に悩んでる人も多いのですが、音楽活動、アイドル活動をしていく上で、さっきおっしゃっていた変なプロデューサーみたいな、“めんどくさい人”に出会ってしまうことって、少なからずあると思うんです。活動規模が広がった現在はなおのこと。そういう場合はどうされていますか?

眉村:「めんどくさい」って言います。あはは。

――ストレートですね(笑)!

眉村:あ、でも、ファンの人には直接言うかもしれないけど、それが偉い人だったら「どうしよう」ってなる、確かに。「(時計を見て)あ! こんな時間だ! そろそろ行かなくちゃ!」とか言って! あはは(笑)!

――ファンの人は直接言われても、逆に嬉しくなってしまうかもしれませんね。

眉村:多分そうなんですよ。「お前めんどくさいよ!」とか言って笑いにもっていくこともありますけど、それで傷ついちゃう繊細な人もいるから、そしたら「ごめん、今の傷ついた?」って言います。

――優しい。そしたら更にファン達は好きになっちゃいますね、眉村さんのこと。

眉村:私もファンのことを溺愛しているので、無限に。

――無限に愛が広がっていく……。

眉村:そう、傷つけちゃったなって思ったり、「今の、もしかしたら失言だったかもしれない」って思うときもあるけど、そういうときはちゃんと聞きます。「今ので傷ついてない?」とか「傷つけちゃった?」とか言います。それで最終的には「大丈夫だよ」ってなります。

――ファンの人とは信頼関係があるんですね。それこそ、偉い人とかが、「ちあきちゃん面白いよね、個性的だなぁ(笑)」みたいな感じで、おそらくはあんまり分かってないのに言ってくる場合もあると思うんですよね。その場合はどういった対応をされるのでしょうか。

的外れなことを言われたときの「大人な対応」

眉村:私、昔はひとりで(活動を)やってたんですね。その頃、とあるイベントに出たとき、デスボイスを入れる曲(『ツクツクボウシ』)をやったんですけど、その曲のときだけちょっと会場で見てすぐ楽屋に帰っていったスタッフの人がいて。

その人に楽屋で会ったら、“知ったか”のように「あ、君、結構“叫ぶ系”なんだね」みたいに言ってきて。

眉村ちあき 撮影:稲澤朝博

――そこしか見てない! 曲によってはデスボイスだったりラップだったりと、色々な要素が入っていますが、眉村さんの曲は、それだけではないのに。

眉村:そう! そこしか見てないから、“叫ぶ系”って言われると、「あの瞬間しか叫んでねーよ」って思って、すごいムカついちゃって、「私、別に叫ぶ系じゃないんで」「そこしか見てなかったからですよね?」って言って、iPodダーン!ってやったんですよ(笑)! 知らない人なのに。それで、すごい変な空気になっちゃったんですよ、楽屋が。

でも、もっと平和に返せばよかったなと思います。今だったら、色々経験して心が広くなったっていうのもあるから、「ハイハイ」って思うだけで、多分「ありがとうございます!」って言うと思います。

――大人になったと。

眉村:大人になりました!ちょっと的外れなこととか、ちょっと攻撃的なことを言われても、ちゃんとニコニコできるようになったし。

でも、そういう人は別に私のファンじゃなかったりするので、全く関係ない人からそう言われても、本当にどうでもいいって思えるようになりました。私のこと何も知らない人がなんか言っていても、「無知ってかわいそうだな」とか思うぐらいです。

――悟りですね。

眉村:そう。どうでもよくなって、でも、私のファンなのにそういうこと言ってくると、ちゃんと注意したくなります。自分のファンを大切にしたいからこそ、ちゃんと注意します。例えば、ライブでうるさくしてたりしたら「静かにできるかな?」とか言います。

眉村ちあき 撮影:稲澤朝博

――問いかけは優しい(笑)。

眉村: 優しく、傷つけないように、ちょっと面白く言う言い方をします。最近は(ファンに対して)赤ちゃん扱いするのがすごいぴったりかなと思って。「静かにできるかな~?」とか「チケット買えるかな~?」とか(笑)。

「自分の持ってきたゴミ、ちゃんと持って帰れちゃうのかな?」とか、「すごいねー!」みたいに、ポジティブな感じで注意します。

――本当に愛に溢れてますね。悟りというか仏ですよ。

眉村:あはは(笑)。そうやると誰も傷つかないんです。