2018年8月16日、東京カルチャーカルチャーにて、劇団雌猫「よいこのファイナンス 君たちはどう費やすか」が開催されました。
劇団雌猫とは、「インターネットで言えない話」をコンセプトにした同人誌を出したり、「K-POP」や「美容」など、アラサーオタク女子の気になるジャンルをテーマにしたイベントを開催しているサークルです。
昨年夏にはアラサーオタク女子の「浪費」をテーマにした同人誌の書籍版「浪費図鑑 ―悪友たちのないしょ話―」(小学館)を発売し、5万部を越える大ヒットとなりました。
今年秋には書籍第二弾や、コミック版の刊行も予定されているとか。
今回のイベントのテーマは、ズバリ「お金」。どんなに次元を超えた恋をしていても、現世で生活している限り逃れられない「お金」の話です。
しかし、実は筆者も過去にお金とライフプランを勉強しようとしたことがあるのですが、「X年後に車と冷蔵庫の買い替え」「購入した家のローン返済」のような話題が中心に話が進んでいくので、オタクまっしぐらな生活を送っていると、あまりピンと来ないこともありました。
そんな「一般論」では納得できない私たち。今回のイベントは、「趣味の出費を抑えて〜」的な「節約」を学ぶのではなく「より良い浪費」のために、お金の知識をつけようというのがポイント。
ご自身もオタク(ジャンルは野球とアイドル)である楽天証券のファンドアナリスト・ファイナンシャルプランナーの篠田尚子さんを迎え、皆で学んでいこうという趣旨なのです。なお、チケットは1日でソールドアウトのことで、注目度の高さがうかがえますね。
劇団雌猫のメンバーである、ひらりささん、ユッケさん、かんさんが登壇しイベントがスタート。(劇団雌猫は4人組ですが、もうひとりのメンバーである、もぐもぐさんは今回はお休みです)
「我々はただ浪費をしているだけで、お金のことはわからない」と、のっけから正直な告白をするひらりささん。かんさんは、秋から推しているK-POPアイドルの7DAYS公演で家計が大変なことになっているそうで、株に手を出してみたものの10万円損失を出してしまったそう。
また、ユッケさんは、やりがい重視の転職をしたらお給料が下がってしまい、若手俳優での浪費に加えて、パーソナルジムに登録したため、「体重は減らしたいけど、貯金は減らしたくない」という状況に。皆お金については悩んでいるんですね。
ちなみに筆者も、思うところあって、去年の夏にビットコインを購入しましたが、価格の上下が激しすぎて、精神が安定しなくなったので年末に足を洗いました。
そして悩めるアラサーオタク女子の疑問や悩みにこたえてくれる、今回の先生役である篠田尚子さんが登壇。本業は金融商品の分析をされており、野球観戦やフェス、コンサートなど、イベントに足を運ぶことが大好きな「オタク」とのこと。親近感!
「現場」に通っていると忙しくて時間がないので、節約を考える時間もないという篠田さんに、大きく頷く会場のお客さん。これからイベントを通して、篠田さんと一緒に皆の「お金」の悩みへの解決の糸口を探っていくことになります。
アラサーオタクとお金の不安
まずはお金についての基礎知識を解説していきます。
今現在、オタク生活ができなくなるほど困窮しているわけではないが、将来に対して漠然とした不安があるという劇団雌猫の皆さん。
「私たちの世代は、払っている年金より貰える年金が少ないというツイートを最近見て、不安をかきたてられました」(かんさん)
「これまでは30歳までには死ぬつもりで生きてきたけど、今は29歳、あと1年くらいでは死なない気がしてきた。のたれ死なない貯金額を知りたい」(ひらりささん)
「貯めている人は同年代でも数百万貯めているけれど、わたしは本当に貯金が無い。ここまで自転車操業をしていると、差がついてくる、ここまで空いた差をリカバーするにはどうしたらいいのか、小野田坂道(『弱虫ペダル』の主人公。自転車レースで100人抜きをするなどの逆転劇をみせる)にはなれない!」(ユッケさん)
皆さんの悩みを聞きながら、「自分が今どういう状況にあるのかわからないから、漠然とした不安が出てくる」と篠田さん。自身も30歳を越えるまでは、お金についてきちんと考えていなかったそうです。
そうなると、どうしても漠然とした不安がやってくるので、考えるべきポイントは「今」と「将来」。それを考える時に大切な3か条について説明してくれました。