「ずっと、待ってた!」というキャッチコピーと共に、東京ディズニーリゾートで開園40周年を祝う『東京ディズニーリゾート40周年“ドリームゴーラウンド”』が4月15日に開幕した。
この40周年イベントは、ディズニー好きはもちろん、社会にとっても特別な意味を持っているように思う。今回は、その理由と背景について紹介する。
緊急事態の世界と、静まりかえるパーク
東京ディズニーリゾートは開演以来、5年おきに大規模なイベントを開催しており、2018年開催の『東京ディズニーリゾート35周年“Happiest Celebration!”』も大盛況だった。
「次の周年イベントが開かれるまでの5年間は、どんなものになるだろう?」
そんなときめきと共に、キャストも、ゲストも、40周年の祝祭に胸を踊らせていた。
しかし、2020年の春頃から、日本でも新型コロナの感染が拡大。東京ディズニーランドと東京ディズニーシーも2020年の2月29日から臨時休園し、夢と魔法の王国は、痛ましいほど現実的な沈黙に包まれた。
同年7月からは営業を再開したものの、来園者数には大幅な制限があり、パークの魅力でもある「ゲストの笑顔で溢れかえる光景」が帰ってきたとは言い難い状況だった。
パーク内にBGMだけが寂しげに流れるパークを思うと、今でも胸が痛む。しかし、そんな現実に押しつぶされまいと、数少ないゲストに精一杯の夢やエンターテインメントを届けていたキャストたちには脱帽だ。
復活の歩みを進めた「ふたつの魔法」
そんな状況が上を向き始めたのは、ワクチン接種が進んだ2021年の夏。ダンサー募集が始まったのだ。多くのファンが「いよいよだ!」と期待に胸を膨らませた。人数制限も少しずつ緩和され、パークの賑わいが徐々に戻り始めた。
特に筆者が、東京ディズニーリゾートの変化を特に強く実感したのは、『ジャンボリミッキー!』と『ビリーヴ!〜シー・オブ・ドリームス〜』のふたつ。
『ジャンボリミッキー!』は、2019年に開始したプログラム。2022年4月の再開以来、大勢のゲストが音楽に合わせてダンスする映像は、SNSや動画配信サイトでも話題を集めている。子供向けイベントとして始まったものだが、ショーが始まれば大人も踊り、なんと「NHK紅白歌合戦」に出演するまでに発展した。
「みんなで踊るって、こんなに楽しかったんだ!」
長い間、生活や交流が制限されていた私たちにとって、『ジャンボリミッキー!』が作り出すライブ感や一体感は、敢えてドラマチックな言葉を選ぶなら「復活の象徴」のようなものだったのかもしれない。