そして茶番から流れるように『大銀河戦艦ナガト』へ。クラオカユウスケが奏でる泣きのギターに、たくさんの園児が手を挙げて応える。
感動的な最期を迎えた大銀河戦艦ナガトのストーリーを聞き終わるや否や、「こんなはずじゃなかったんだ!」の叫びとともに『その後のペテン師』へ。振り付けとともに、得意の顔芸を全力で披露するぶうを見向きもせずに暴れ倒す園児たち。かなりシュールな光景である。
『花火』では忠実に尻を叩く振り付けを会場全員が再現するなど、えんそくのライブではファンの一体感もぜひ観て欲しいポイントである。あわよくばそこに混ざって、楽しさを体感して欲しい。
ライブ中盤は「M・A・C・H・I・KO! マチコ!!」の指文字で始まる『鋼鉄のMACHIKO』、えんそくの曲の中でも随一の“泣ける曲”である『流星雨』、今回のライブのテーマにもかかった『日々、宇宙色。』を続けざまに演奏した。ふざけた曲や振り付けの多いイメージがあるえんそくだが、実はバラード調の曲をもしっとりと聴かせる実力を持っている。そんなえんそくの多面性に、惹かれるファンが多いのだと思う。
MCではえんそくメンバーが「初めてワンマンをした会場」だというO-WESTへの想いを語りつつ、「ワケわかんないことって、やってると頭の中にアドレナリンが出てくるんですよ!」と力説。
あくまでバカになってライブを楽しむことの重要性を語った後、「最高に楽しんで行こうぜ!」と煽り立てて『とってもマッケンロー』へ突入。ステージ前方に駆けだしてくるメンバーを見て、フロアも負けじと回転モッシュを披露する。
ひたすら「ゴリラゴリラ」連呼する曲『ゴリラの丘』では、「オマエらの野生を取り戻せー!」とカッコいいのか何なのかわからない煽りをするぶう。『ししゃもアワー』ではヘドバンの嵐が巻き起こり、2階席まで熱気が立ち上ってきた。「世の中のワケわかんないバンドに、負けたくないんだよ!」と絶叫した『TDL』は、世の中への皮肉を込めた歌詞がロックでポップなメロディに乗って演奏される。
クールなギターリフから始まる『581c』では全力の拳を求める激しいノリから一転、キラキラと光るライトに照らされ、文学的なぶうの独白で締められる、本編最後の曲として演奏された『ハローゴッドモーニング』は、えんそくの中でも1、2を争う名曲だと思う。まばゆい光を浴びてステージ上で演奏するメンバーを見て、「僕が変われば世界も変わる」という歌詞を噛みしめる。そうしてえんそくは、ステージを去って行った。