【第三章】料理は心!
さて、次の料理が運ばれてきました。
ARuFa「片方は、メイドさんが美味しくなる呪文を唱えてくれるという『萌え萌えピンクカレー』…もう一方は呪文なしの『普通のカレー』です。」
見るからにかわいらしいこのカレー、フタをあけると中にカレーが入っているそうです。
メイド「今回は、この魔法のステッキを使って、魔法をかけちゃいまーす!」
ゴトウ「ほほう」
ARuFa「では、目を閉じてください」
メイド「美味しくな〜れ」
ゴトウ「美味しくな〜れ!!」
メイド「萌え萌えキューン!」
ゴトウ「萌え萌えキューン!」
ARuFa「順応早いな…」
ARuFa「さて、食べてもらいましょう…と思ったんですけど、冷静に考えるとこれ、魔法がかかったほうは色が変わるらしいから食べるときに分かっちゃうな…」
ゴトウ「それもそうだな」
ARuFa「しょうがないんで、ゴトウさんは目隠しをしたまま食べてもらいます」
ゴトウ「マジで?メイドさんにあ〜んしてもらえるっていう…?」
ARuFa「このお店ではそういったサービスしてないんで。僕が食べさせます」
ゴトウ「あ、そうなんだ…」
それぞれのカレーを一口ずつ、口に含んで…
ARuFa「さあ!どちらが魔法のかかったピンクカレーか、当ててください!」
ゴトウ「これは…こっちだー!」
ARuFa「え!!! また当たった!! まさか本当にわかるんですか…!?」
ゴトウ「だから言ったろ?違うんだって」
ARuFa「信じられない…。だって…味が変わるはずが…」
ゴトウ「食べれば分かるが全く別物と言っていい。通常のカレーはチャツネを入れた甘みとコクが効いている。対してメイドさんのピンクカレーは、通常のチャツネではない…メマャツネが入っているな」
ARuFa「メマ…ャ…?なんすかそれ?」
ゴトウ「”メイドさん魔法チャツネ”の略に決まってるだろ! ニブちんが!!」
ARuFa「意味不明だし、語呂が悪すぎるし、力が強い」
ゴトウ「何にせよ、これで結果は出たようだな…」
ARuFa「こんなはずは…じ、じゃあ、これでどうですか! 無味無臭の水!」
ARuFa「事前にメイドさんに魔法をかけてもらいました! これなら分からないでしょ!」
ゴトウ「ふふ…。浅はかの極みとはこのことだな。メイドさんの魔法のかかった水は…こっちだー!」
ARuFa「まじかよ! 正解です! クソが!!」
ゴトウ「無味無臭の水を選んだのがお主の敗因なり。無味無臭なればこそ、その微妙な違いが大きく浮かび上がるというものであることよ」
ARuFa「そ、そんな…」
ゴトウ「あと、魔法以外にもメイドさん特有の甘い香りがしたな。思春期を迎えて花開く、可憐な花のような…」
ARuFa「そんな…(キモい…)」
ARuFa「キモい…」