映画『グラスホッパー』の完成披露試写会が29日、東京都内で行われ、出演者の生田斗真、浅野忠信、山田涼介、麻生久美子、菜々緒、村上淳、吉岡秀隆、瀧本智行監督が登壇した。
本作は、伊坂幸太郎氏の人気小説を映画化。殺された恋人の復讐(ふくしゅう)のため、裏組織に潜入した元教師・鈴木(生田)を主人公に、心に闇を抱えた3人の男たちが、ハロウィーンの夜、渋谷スクランブル交差点で起きた事件をきっかけに運命を交錯させていく様子を描く。
瀧本監督の『脳男』で“最強の男”を演じた生田は「(脳男の)撮影後に監督から『次は真逆の生田を撮りたい』と言われて…。すごくうれしかったけどまさかこんなに早く実現するとは」と語った。
今回は、これまで演じてきた中でも“最弱のキャラクター”とも言える役どころだったが「走り方とか、眼鏡の持ち上げ方とか、細かいところまでこだわった。高校の同級生にいつも眼鏡が曇ってるやつがいて、さえなくて、(役のモデルに)いいなと思って…。小道具の眼鏡に朝から指紋を付けるというのをやってました」と役作りを振り返った。
一方、驚異的な身体能力を持つ孤独な若き殺し屋・蝉を演じた山田は「今回は斗真くんという大先輩と一緒の映画だったけど、あまり撮影が一緒じゃなくて、ちょっとホッとしました」と率直な心境を吐露した。
撮影前には生田からのメールが来たと言い「『この映画はおまえに懸かっている』と大きなプレッシャーを頂きました」と苦笑いをしながら明かした。
爆笑の渦に包まれた会場で「ちょっと先輩という名の風を吹かせました」と照れ笑いを浮かべた生田は、村上から「そうやって(後輩の)芽を詰むんだね」とちゃかされると「一緒に頑張ろうという意味ですよ! 重要な役どころだし…」と必死に弁解。山田は生田のメールに「『が、が、が、頑張ります…』みたいな感じで返した」と明かした。
また“押し屋”と呼ばれる謎の殺し屋・槿(アサガオ)役の吉岡との共演シーンを振り返った生田は「実は、吉岡さんのことが子供のころからすごく好きで…」と恥ずかしそうに告白。
監督から「『北の国から』の大ファンなんだよね」と暴露されると、生田は吹っ切れたように「吉岡さんが『いや、昔、(田中)邦(衛)さんがさ~』とか話をするので、『邦さんって呼ぶんだ!!』って勝手に興奮していました。今まで(北の国からの話題は)言われまくっているから、失礼かなと思って現場では控えていたけど、とうとう言ってしまいました」と語り、笑いを誘った。
映画は11月7日から新宿ピカデリーほか全国ロードショー。