結成10周年を迎えた切ナ色歌謡ロックバンド、実験台モルモット。11月27日には東京キネマ倶楽部での単独公演「メランコリパルフェ」も無事成功させました。
今回はボーカルであり、男の娘でもある谷琢磨さんにロングインタビュー! バンドのこと、男の娘のこと、楽曲のことなど、たっぷり語ってもらいました。お人形さんのような谷さんの写真も満載です。
——ウレぴあ総研初登場、ありがとうございます。読者のなかには実験台モルモットのことを知らない方もいると思うのですが、実験台モルモットとは、どんなバンドですか?
谷琢磨さん(以下、谷):一言で言うと、鬱でレトロな歌謡ロックバンドです。なかなかジャンルとしてこうってのは言いにくいバンドですね。
——最近はヴィジュアル系バンドとの対バンも増えているようなので、ヴィジュアル系と思っている人もいそうですが、ヴィジュアル系と言われることに関して何か思うことはありますか?
谷:カテゴリーを決めているのはアーティスト側ではなく、お客さんの方だと思うんですね。ヴィジュアル系と言われることは全く気にしていませんし、抵抗もありません。ただ、うちのドラムはすっぴんにヒゲなので、ヴィジュアル系と呼ばれちゃうと逆にヴィジュアル系バンドの人に失礼かなとは思ったりしますね(笑)
メンバーのやりたいことを叶えてあげるバンド
——今年は結成10周年ということで、ここまで続いてきた秘訣などはあるのでしょうか?
谷:あると思います。うちは、メンバーがそれぞれやりたいことを叶えてあげるバンドなんです。当然、人と人なので揉めることはあるのですが、この曲はこの人のワガママを叶えてあげようと。
例えば、ギター担当がギターをかき鳴らすサウンドの曲が作りたいって言えば、それを叶えてあげる。僕がシャンソンみたいな曲を歌いたいと思ったら、メンバーが技術と知識をぶつけてくださるので、お互いの夢を叶え合っている場所というか。
楽曲によってやりたいことを振り分けているので、揉めて決裂! というようなことは、10年間やってきて一度もないですね。
——うまくバランスがとれているのですね。谷さんの経歴を教えてもらってもいいでしょうか?
谷:3歳からピアノと声楽を習っておりまして、ピアノは15年、声楽は18年やっていました。でも、ピアノの方は全く芽が出ずにやめてしまって。
それまで歌も、声をコントロールできていなかったのですが、リヴァプールに留学して、そこで先生に習って歌を開花させてもらいました。日本で習っていた腹式呼吸の歌唱法ではなく、「共鳴腔」という、体の穴の空いている部分に声を増幅させる歌い方を1年間みっちりトレーニングしたら、おもしろいように声をコントロールできるようになりました。そこからは比較的楽しんで歌えるようになりましたね。
ほとんど喉を使わない歌い方なので、本番前に風邪で声が出なくなってしまったらどうしようというプレッシャーも少なくなり、精神面でも楽になりました。
留学から戻ったら、ミュージックステーションなど、テレビのコーラス隊の指導のお仕事をさせていただいたこともあり、今に至る感じです。
——すごい……小さい頃から音楽一筋でやってこられたのですね。