『フォースの覚醒』の完成度が高すぎる
親子で観られる「スター・ウォーズ」。
あんなヌルい描写ばかりのSFなど、「スター・ウォーズ」じゃない!! そう憤る、コアなファンもいるのかもしれません。
ただ、これがディズニーが関わったことによる、ほぼ唯一と言っていいマイナス要素です。
ディズニーとルーカスフィルムは、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を、素晴らしい完成度の傑作に仕上げてきました。
1回目は、公開初日に鑑賞しました。
どうなるんだろう? というワクワク感に乗ったまま、一気に見終わりました。
流れるようなストーリー、お馴染みの面々やドロイド、ミレニアム・ファルコンの大活躍、最新CG&SF演出で描き直した、過去作を彷彿とさせるシーンの続出……「最高」と言うほかありません。
パーフェクトなストーリー展開
鑑賞2回目も、飽きるどころか、より面白さが増します。
ストーリーを知っているからこそ、あらゆる描写に、無駄なく意味があり、次のシーンの伏線になっている事実に気づきます。
「なるほど、これはこういう意味だったのか」という発見が、無数にあるのです。
私は、ディズニー/ピクサー『トイ・ストーリー』シリーズの、パーフェクトなストーリー展開を想起しました。
おそらく、ピクサーがディズニーに持ち込んだ “ブレイントラスト会議”(またはそれに類する仕組み)が、ルーカスフィルムにも持ち込まれたのでしょう。
そうでなければ、少し考えにくいほどの、完成度です。
また、マーベル・シネマティック・ユニバースの作品群のように、張り巡らされた伏線も感じました(恐らく、次作以降で明らかになるでしょう)。
既存ファン以外からも大絶賛される、史上最高の「スター・ウォーズ」が誕生
巷に溢れる『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の感想を見ていくと、今までは「スター・ウォーズ」ファンではなかった、一般の人々が、絶賛している事実が見えてきます。
実は、旧6作未鑑賞の私の妻も、『フォースの覚醒』を鑑賞して、大絶賛しました。
それまでまったく興味を示さなかった過去6作を「見る」とまで言い出し、私を驚かせました。
ディズニーの近年を振り返ると、ピクサーから、ジョン・ラセターがやってきて、ディズニーアニメーションは復活し、『ベイマックス』という最高傑作が生まれました。
実写部門からも『シンデレラ』という傑作が生まれ、マーベルも比肩する者のないSFの傑作を連発しています。
ルーカスフィルムも、ディズニーの一員として、一連の流れに組み込まれ、完璧なストーリーテリングと、マーベルにも劣らない(それいて「スター・ウォーズ」らしさを失わない)、最新のSF描写を手に入れました。
純粋に物語が魅力的で、親子で楽しむことができ、スター・ウォーズらしさ満点で、観れば観るほど深掘りできる、史上最高の「スター・ウォーズ」が、世に放たれたのです。
東京ディズニーランドの未来は……?
「これなら、堂々と勝負できる。」
もともと、ルーカスフィルム買収費用の回収が必須だったディズニーですが、確信に変わったに違いありません。
株式会社オリエンタルランドが、具体的検討に入っていた東京ディズニーランドの新ファンタジーランド構想。
横からねじ込む形で、「スター・ウォーズ」要素の導入を、ディズニーが要請したとして、なんら不思議はありません。
また、株式会社オリエンタルランドも、親子で楽しめる最高のエンターテイメント『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を目にして、これならば検討に値する、と本気で考えたはずです。
もちろん、これはすべて妄想。
東京ディズニーランドがどんな姿に進化するのかは、公表されるまでわかりません。
『フォースの覚醒』は新たなるファンを開拓し、東京ディズニーランドに「スター・ウォーズ」エリアができたら嬉しい、と考える人々の数は、倍増したはず。
ぜひ、期待して待ちたいと思います。