日本映画に圧されていた中で、再び息を吹き返している洋画作品。もはや定番とも言えるアメコミヒーローやアクション大作だけでなく、きらりと光る人間ドラマでも注目作揃いなのが2016年の特徴だ。圧巻の映像と壮大なドラマ。映画の醍醐味をぜひスクリーンで!
オスカーなるか!? 賞レースでも注目の濃密なドラマ
『ブリッジ・オブ・スパイ』 1月8日(金)公開
スティーヴン・スピルパーグ3年ぶりの新作で、冷戦時代の50~60年代、米ソのスパイ交換事件の折衝を任された弁護士をトム・ハンクスが演じる。
脚本は、スピルバーグとは『トゥルー・グリッド』(10)、トムとは『レディ・キラーズ』(04)で組んでいるジョエル&イーサンのコーエン兄弟。
オスカーの常連たちががつぷり組んだ、胸を打つ一作となっている。
『ブラック・スキャンダル』 1月30日(土)公開
FBI史上最高の懸賞金を懸けられた、実在のマフィア、ジェームズ・バルジャーにジョニー・デップが扮した一作。
見た目から凶悪な男になりきっていて、オスカー主演男優賞も有力視されている。バルジャーの弟にして上院議員のビルに、ベネディクト・カンバーバッチ。
監督はオスカー2部門受賞した『クレイジー・ハート』(09)のスコット・クーパー。
『オデッセイ』 2月5日(金)公開
アンディ・ウィアーの小説『火星の人』を、御年78のリドリー・スコットが映画化。
事故によって火星に置き去りにされてしまった男が、空気も水も通信手段もない状況下で生き延びようとする姿と、彼を助け出そうとする仲間たちの姿が壮大なスケールで感動深く描かれる。
主演はオスカ―5部門ノミネートの『インターステラー』(14)のマット・デイモン。
『キャロル』 2月11日(木)公開
『ブルージャスミン』(13)でオスカー主演女優賞受賞のケイト・ブランシェットと、『ドラゴン・タトゥーの女』(11)で同賞ノミネートのルーニー・マーラーが初共演。
パトリシア・ハイスミスの同名小説を原作に、50年代を舞台とした女性同士の恋愛を情感豊かに描く。監督はトッド・ヘインズ。
マーラは本作で第68回カンヌ映画祭助演女優賞を受賞している。
『レヴェナント:蘇えりし者』 4月公開
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(14)で映画賞を総なめにしたアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥが、レオナルド・ディカプリオとタッグを組む。
アメリカ開拓時代を舞台に、瀕死の状態で荒野に見捨てられたハンターが、自分を置き去りにした親友(トム・ハーディ)に復讐を誓う。
音楽は『ラストエンペラー』(87)の坂本龍一。