「俺とお前で世界を変えていこうぜ!」
そして照明が怪しく揺らめき、ジャジーでグラマラスな『MAD SQUARE GARDEN』へ。この振り幅が彼の音楽の魅力のひとつだといえます。
続いてミディアム・エレクトロ・ナンバーの『クライオニクス』へ。クライオニクスは「人体冷凍保存」のことで、呼吸器を片手に儚げに歌い上げるRYO:SUKE。
ワンマンならではの超絶テクニカルな演奏に舌を巻くWING-MENたちのセッションタイムをはさみ、真っ黒な衣装にチェンジしたRYO:SUKEが再登場。
「命を燃やしているか新宿? この1年掲げてきた”FUTURISTIC AND:ROID PROJECT”というプロジェクトは今日の新宿ReNYが集大成になります。 お前ら今日は何しに来た?(「命燃やしに来た!」というフロアからの声)…そう!それだけが真実だ!俺とお前で世界を変えていこうぜ!」というMCから『VAD†MAN』のイントロが鳴り響くとフロアも拳でこたえます。
「まだまだ行くぞ!」と手拍子から始まった『Mr.FANTASIX』ではステージ狭しと暴れまわるWING-MENたち。そして「思いを伝えるための言葉を探した一年だったと思います。だけど、一番最初から、それは、この手の中にあったんだ! 光になれ…!」とWING WORKSの原点でもある『シルヴァー』。
最後は「ここに立つまでに何度も諦めようと思った…もう死のうと思った時もあった。でも違うんだよな、俺はいつまでもあの太陽目指してお前たちと生きていく!」と手を掲げ、今年のWING WORKSを象徴するようなパワーバラード『IKAROS』で壮大に締めくくりました。
「世の中“正解めいたもの”で溢れてる」
「これが欲しかったんだろ新宿!」とアンコール一発目『メトロア』でいきなりフロアは最高潮に。
WING-MENの紹介とこの日の感想コメントをはさみ、RYO:SUKEのMCへ。「世の中“正解めいたもの”で溢れてるわけですよ、『これが普通でしょう』みたいな。どこかでそういうものに囚われていた時期があった。だからこそ苦しんだりもがいたり、挑戦を続けていくうちに所謂“自分がいるシーン”の慣習からどんどんはみ出していって、それが怖かったこともあった。
でも色々やってみた結果、視えたんですよ。これから音楽を通じて何をやるべきか、誰に伝えていくべきか。だからWING WORKSを始めた時のようにアルバムを作ろうと思うんです。自分の感覚に正直に。それを来年貴方たちに見せたい、今日は本当にありがとう!…よし、言えたぞ!(観客拍手)」
そしてあったかい気持ちになれる曲だと『ムービングライトキス』、そして『RAVVE OF MY TRINITY』でラストスパートをかけ、『FIXXTION BOY』でWING WORKSの”SHOW”は幕を閉じました。
アンドロイドなのに“命燃やす”し、ロジカルなのに情熱的、そんなアンバランスさに心を掴まれるWING WORKSという異色な存在は“正解めいたもの”からは離れているかもしれませんが、“正しい姿を追い求めている”アーティストなのではないかと思うのです。