神奈川県地位向上委員会でも、書籍『神奈川のおきて』の中で、同県民はあまり「神奈川県民」という認識がないと指摘。
というのも、多くの県にある「県民の日」がないためです。
「自治体ごとに個性がありすぎるせいか、県民としての統一した意識が育たず、同じ県であっても、自分が住んでいる場所以外にはほとんどキョーミをもっていない人が多いのだ」と、同書で指摘しています。
とはいえ、外部からの神奈川県への注目度は高いようで、スーモが発表する「みんなが選んだ住みたい街ランキング」では、鉄板の2トップ「吉祥寺」「恵比寿」に続き、横浜が3位にランクインしています。
しかし、これまで一強だった神奈川県内の勢力地図に、変化が訪れているのです。横浜のポジションに物凄い勢いで迫っているのが、昨年度の同ランキングで9位から5位に、一気にランクアップした武蔵小杉こと「ムサコ」です。
「ここ十数年にわたる再開発で景観は激変し、数多くの高層ビルに住戸、商業施設、医療機関などの生活機能が集約する利便性の高い街へと生まれ変わっている。大規模なリニューアルはまだまだ続き、その期待感も手伝って根強い人気をキープしているのだろう」とスーモでも解説される通り、再開発をしつつ様々な取り組みを行っているのです。
再開発が進むため仮囲いがどうしても多くなるのですが、その囲いをピアノの鍵盤に見立て、実際に音が出るような仕組み「奏でる壁」を作ったり、巨大な光のタワーをつくる「タワーオブライト」が登場したりと、五感を刺激する企画が次々と実施するCOSUGI CONVIVIAL PROJECTなどが行われています。
同プロジェクトの仕掛け人・成田冠さん(COSUGI CONVIVIAL PROJECT実行委員会事務局長)は「武蔵小杉らしい“街の価値”が生まれる可能性がある」「武蔵小杉は未来志向の街」と、今後の発展に自信をみせます。
また、意外なところで、地元・川崎市にはクラフトビールがあります。
「Brimmer Brewing(ブリマーブルーイング)」は、小規模なブルーワリー(醸造所)で作られていますが、ビール職人によって厳選された良質の天然素材を使い、何百年もの間受け継がれてきた伝統的な製法によって、最高級のクラフトビールを提供しています。
こういった地元のビールをはじめ、地元の野菜(川崎市には約1000もの農家が存在)が堪能できるのがコスギカフェ。地産地消を目指す同カフェは、地元民の集いの場となっています。この「地元愛」は武蔵小杉の魅力の一つになっているのかもしれません。
再開発と共に新しい企画を打ち出すムサコ。スーモの「今後、地価が値上がりしそうと思う街ランキング」で1位、「今払える予算内で住みたい街ランキング」で1位、「穴場だと思う街ランキング」で3位と、次々と上位にランクイン。
今のところ賃貸物件の家賃はそれほど高くなく、十分射程距離内と考える人が多いようですね。家族にも優しい地域でもあるので、引っ越し先の候補にあがるのも不思議ではありません。春からの新しい生活の場にムサコを選んでみてはいかがでしょう。
出身地を聞かれ「横浜の方」ではなく、「ムサコの方」と言われる日も近い?
<参考書籍>
『神奈川のおきて』神奈川県地位向上委員会(アース・スターエンターテインメント)