昨年末、マット・デイモン主演の映画『オデッセイ』と、日本の人気漫画『宇宙兄弟』のコラボビジュアルが公開され話題となりました。デザインはもちろん、『宇宙兄弟』の小山宙哉さんで、今回のために描き下ろしています。
映画『オデッセイ』は、人気小説『火星の人』が原作。火星を舞台としており、有人探査中に、ひとり取り残されてしまった宇宙飛行士・ワトニーが、空気・水・通信手段がない状況下で、知恵と強い精神力を発揮して生き延びようとする作品です。アメリカで大人気となった同作が、いよいよ2月5日に日本でも公開されます。
一方の漫画『宇宙兄弟』についてはご存じの方も多いでしょう。雑誌『モーニング』で連載中の人気漫画で、2009年度、2010年度と2年連続でマンガ大賞2位を受賞するなど、多方面で評価されている宇宙をテーマにした兄弟の物語です。
作者の小山さんは、同じく漫画家の井上雄彦さん(『スラムダンク』『リアル』など)に影響を受けていることは有名な話。宇宙が主軸となっている同作ですが、ALSや障害、疾患、心の病、リストラなど、人生の挫折や困難についてもしっかり描写。こういった作風は井上さんに近いものがあり、登場人物がそれらを乗り越える姿を、井上作品のように丁寧に描いています。
そんな同作は、宝島社「このマンガがすごい!2009」オトコ編にて2位に輝くなど、男性ファンが多いよう。ですが、同作をヒットさせるために、女性をターゲットにしたアプローチがされていたことをご存じでしょうか。
同作の元編集者で、現在はコルク代表取締役の佐渡島庸平さんは、自著『ぼくらの仮説が世界をつくる』のなかで、同作を大ヒットに導いた「裏側」を明かしています。連載スタート当初はさほど人気の高くなかった同作が、どのようにしてヒットし、映画とコラボするようになったのか。その“きっかけ”を見ていきたいと思います。