コメントの途中で涙を流した早見あかり

 「夢の劇-ドリーム・プレイ-」の制作発表が19日、神奈川県横浜市のKAAT神奈川芸術劇場で行われ、出演者の早見あかり、田中圭、山崎一、脚本・出演の長塚圭史、演出・出演の白井晃ほかが登壇した。

 今年4月から同劇場の芸術監督となる白井の就任第一作目となるプロデュース公演。19世紀末から20世紀初頭に活躍したスウェーデンの作家ストリンドベリの描いた「夢」の世界を舞台化する。

 本作で本格的な舞台に初挑戦し、初主演を果たす早見は「右も左も分からず今ここに立っています。緊張、不安というよりも“怖い”というのが今の私の気持ちを表す言葉だと思います」とあいさつした。

 これまで「興味を持ちつつも、それとなく避けてきた」という舞台にチャレンジすることを決意した早見は「多分、たくさんたくさん迷惑を掛けてしまうと思う。でも、頑張りたいと思っています」と意気込みを語った途端、緊張に耐え切れず目から涙があふれた。

 「こんなの初めてでごめんなさい…」と取り乱しながらも「千秋楽を迎えた時には自分の中で何か変化がちゃんと起きていると思う。皆さんとすてきなものを作りたい」と気丈に語ると、最後は「こんなに幸せな記者発表という場で泣いちゃってすみません。頑張ります」としっかりと前を向いた。

 今回、早見が演じるのは白井が演じる神インドラの娘のアグネス。キャスト陣が「難解」と苦笑いする本作を初舞台に選んだ理由については「正直良くわからない」としつつ、「分からないからこそワクワクしている。自分の知らない世界を冒険して帰ってくる今回の役は、舞台という何も分からないところに放り投げられる今の私と一緒。役と同様、終わった時に何かをつかむことができていたら」と笑顔を見せた。

 そんな早見の様子を見守った白井は「今日の早見さんの緊張ぶりを見て僕はうれしくなった。この感情で芝居に向かってくれたらいい」と語った。田中も“涙”の感想を問われると「自分にはもうあまりない感覚。いいなと思った」と笑わせつつ、「初舞台で僕が周りに支えてもらったように、支えてあげることができたら」と先輩らしく語った。

 舞台は4月12日~30日、KAAT神奈川芸術劇場を皮切りに、松本、兵庫で上演予定。