映画『キャロル』のジャパンプレミアが22日、東京都内で行われ、主演のケイト・ブランシェットが登壇した。
ケイトの来日は2010年以来3度目だが、映画のプロモーションでの来日は今回が初となる。客席からの歓声を浴び、握手やサインに応じながらステージに立ったケイトは「こんなにも温かく迎えていただきありがとうございます」と感謝のコメントを。
本作で、自身が本年度のアカデミー賞の主演女優賞に、共演したルーニー・マーラが助演女優賞に“Wノミネート”されたことについては「大変光栄です。この作品は自分とルーニーが演じた2人の女性の間の愛を描いたものですから、2人そろってノミネートされたということが何よりもうれしいです」と笑顔を見せた。
また、エレガントな主婦のキャロルを演じたケイトは「当時は同性同士の愛は犯罪。原作者のパトリシア・ハイスミスはクライム物の女王です。ただ今回は殺人、銃が出てくるのでなく“犯罪は愛”そういう物語なのです」と内容を紹介した。
さらに女性同士の愛を演じたことついても「細かいところは違いますが、ここで描かれているのは、ジェンダーの垣根を越えた『ロミオとジュリエット』のような壮大で純粋な愛。詰まるところ、愛は愛である。そこに変わりはないのです」とアピールした。
この日はケイトの大ファンだという女優の寺島しのぶが花束を持って駆け付けた。本作を鑑賞した寺島が、「相も変わらず、初めの登場から見た人の心を離さないケイトさんのお芝居が素晴らしかったです」と賞賛すると、ケイトも「寺島さんのような経験豊富な素晴らしい女優さんにそう言ってもらえてすごくうれしい」と喜んだ。
一方、これまで男性も演じたことのあるケイトに寺島が「今度は何の役をやったら新しい自分が見つかると思いますか?」と質問。これに対し「相撲の力士の人生物かしら」と冗談で返したケイトは、「太らないといけませんよ」と笑う寺島に、「食事面に障害を持った力士だったらいけるかもしれません」とちゃめっ気たっぷりに応じた。
映画は2月11日から全国ロードショー。