「勉強しなさい」と一度も注意したことがない
優秀な子どもがいるママに聞くと「家で勉強しなさいと言ったことがない」と異口同音に言います。「本当かしら」と思うかもしれませんが本当なのです。
小学生の親のお悩みとトップは、“いくら「勉強しろ!」と口を酸っぱくして怒っても勉強しないこと”です。
「宿題やりなさい!」と叱ってもだらだらしてなかなか取り組みません。
でも、よくよく考えてみると「勉強しなさい」と叱って勉強するようになれば誰も苦労はしませんよね。行動を起こすためには人間には動機が必要です。
「知らないことを知りたい、だから勉強するのは楽しい」と思っていなければ周りがいくら命令しても勉強はしません。部屋にこもって「勉強しているわ」と親が思っても、本人にやる気がなければ漫画を読んだりゲームに興じています。
学校でも椅子に座って前を向いていても頭の中は「今日の夕飯は何だろう。家に帰ったらあのゲームをやろう」「登校時に道路にあった犬の糞は帰りはいったいどうなっているんだろう?」と忙しく回転していて全く別のことを考えていたりします。
客観的に見た、東大の子の家庭環境
私の友人の子どもで東大にストレートに入った女の子がいます。確かに親は「勉強しなさい」とは言っていませんでした。でも、こんな家庭環境でした。
1. 親が本好き・テレビがない
活字を読んで文章を理解できないと算数の文章題をはじめ他の教科も成績が下降します。
そこで、担任から個人面談で「読書をもっとさせてください」と注意を受けることもあります。
だからといって親が「本を読め」と言ってもなかなか読まず「うちの子は本を読まなくて困る」と言っている小学生を持つママがいます。
そして、親は読書なんかしないでLINEやパソコンに浸っていたりします。
でも、私の友人は子どもに「読書しなさい」と言っていませんでした。
ただ、その家庭にはテレビがなく、夕飯後は家族そろって読書タイム。親は本の虫だったので子どもは親の姿を見て自然に読書するようになっていました。
2. 絵本の読み聞かせに喜んで付き合う
親が活字を読むことが好きですから、幼児期に子どもが絵本を次々に持ってきても嫌な顔ひとつしないで喜んで応じてやっていました。
「もう何回目なの、いい加減にこれくらいでおしまいにしなさい!」なんて拒否することはなく、何回も何冊も読み聞かせていました。
その結果、小学生になってからは文庫本にまで手を出すようになっていました。親は「いい加減、読書するのは止めなさい」と子どもが本好きなのを悩んでいたくらいでした。