2.主語が“I”の会話で心の声を口に出そう!
マイナス感情の言葉でも、相手を素直にさせるモテ子さん雰囲気のカギはなんだと思いますか? 彼女たちが持つ、「何を言っても許されるキャラ」のおかげではではありません。
モテ子さんの、聞きやすく心地よい「声」もその要因の1つではありますが、それ以上に、言葉のセンテンスにある法則が隠されていたのです。
その重要なポイントは、「主語が“I”であること!」です。
比較してみましょう。
EX)寒い日に外で待ち合わせ。連絡なしで30分以上待たされた時の苦情
1. “I”を主語 :「(私は)30分も外で待っていたから寒かったよー」
2. “You”を主語:「(あなたが)○○したせいで30分も待たされて寒かったじゃない。風邪ひいたらどうするのよ」
こんな風に、同じことを言っているのに、言われた方の受け取り方がずいぶん違うことにお気づきでしょうか?
1も2も、風邪を引きそうな寒い状態で30分待たされた苦情を告げていますが、1は相手に「風邪をひいたら大変!」と反省を促すのに対し、2は自分から積極的に非難しています。
主語を“I”にするだけで、自分の状態を相手に推察させることができます。相手に反省させるわけです。非難することは、相手を多かれ少なかれ傷つけます。だから、相手を傷つけることなく反省してもらい、行動を改めてもらった方がいいですよね。
まずは、主語を“I”に変える話し方を普段から心がけましょう。ついでに丁寧な口調で伝えられれば、柔らかい印象を与えながらも言うべきことをしっかり伝えられます。
3.相手の心の翻訳機の法則を学習しよう!
モテ子さんたちは、第一印象で相手に気を許させてしまうほどの好印象を与えます。主語を“I”にする会話(以下「“I”会話」という)がポイントなのですが、それだけではまだまだです。
“I”を主語にした話し方をした場合、その第一声は、相手にどうして欲しいかは伝えていません。だから、プラスの感情の場合は、ストレートに相手に好感を与えます。
一方、「悲しい」や「怒った」といったマイナスの感情を与えたことを知った場合も、相手に強要するわけではないので、マイナスのイメージにはなりません。しかも、相手の対応を見ることで、相手の人柄を推察することができます。
ここで重要なのは、自分の表現と同じ言葉でも、相手が同じ気持ちでいるとは限らないことを認識しなければなりません。いわば言葉は「心の翻訳機」です。
モテ子さんは、会話の中で、相手の言葉から相手の心の翻訳法則を学習し、相手の心を推察することを上手にやってのけているのです。
モテ子さんのコミュニケーション力を身につけたいなら、腹が立った時には深呼吸です。相手の心の翻訳機に近い解釈をするために、自分の感情はひとまず置いて、「相手に悪気がないとしたら?」と想像力を働かせてみましょう。
わからないことは「どうしてそう思うの?」と聞いてみましょう。そうすることで、お互いの理解を深められます。
それでも腹の立つことが多く、理解できないときは、ひとまず「考え方の違う人」と距離を置きましょう。悪い解釈で決めつけずに保留にしておくことで、いつの日かその人の良さに気づくこともあります。
相手を理解するということは、自分を傷つけてしまう環境から身を守るすべでもあるのです。