結局は『トイ・ストーリー』が、大好きなだけ!

『トイ・ストーリー4』©2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

『トイ・ストーリー』を愛しているからこその悲しみ

「大切にするって言ったのに、ボニーの嘘つき! 」と言う感情も、凄くわかります。

筆者も、同世代かつおもちゃへの接し方や遊び方、思い入れが似ていた事もあり、アンディ&ウッディの絆に、かなり肩入れしていました。

だから、本作でのウッディの扱われ方や、過去シリーズがないがしろにされたような描写は、見ていてとても悲しかった。

3のラスト、「ウッディたちを大切にしてくれるよね?」というアンディの約束は、自分にとって凄く大きな意味を持ってたのですが、ボニーぐらいの年齢の子に「一生大切に遊び続けろ」的ニュアンスまで背負わすのは…

言葉は強いですが、もしかしたらアンディ&ウッディに思い入れがありすぎる、筆者のような『トイ・ストーリー』ガチファンの、勝手なエゴと捉えうるかもしれない。

確かに、「おもちゃは何があっても、みんな一緒に1人の子供の傍にいるべき」というテーマを通し続けて来たのは、他ならぬウッディでした。

過去シリーズが大好き過ぎるが故に、そのテーマが刷り込まれ過ぎて「ウッディには、こうあって欲しい」と、自分が期待して背負わせ過ぎてしまったのかな。

責任ある立場であっても、1人の人間(おもちゃ)なんだし、なにかのきっかけで「自分の人生を大切に生きてみよう」と思う事だって、本当は許されていいはず。

時に自分を犠牲にし、自分よりも周りの仲間の事を想い続けて来たウッディに、ようやく肩の荷を下ろさせるという意味では、24年かけて紡いできた物語やテーマの根底を覆すような本作の結末は、効果的であり、正しかったのかもしれません。

1人1人の"「おもちゃ」の物語"

『トイ・ストーリー4』©2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

ボニーにマイナスな感情を抱いたこともありましたが、おもちゃとの関りを思い返してみると、自分の幼少期にも、当てはまる部分はありました。

1番のお気に入りおもちゃだって、時がたてば入れ替わるし、いつの間にか遊ばなくなって、どこかへ行ってしまったのに気づかないまま…

そんなおもちゃも、確かにありました。誰しも身に覚えがあると思うんです。

その「遊ばなくなった」おもちゃが、どこか広い世界で持ち主に縛られることなく、活き活きと自分の道を歩んでいるとしたら…実は、こんな幸せな結末って、ないのかもしれない。

そこまで含んでの、“本当の『トイ・ストーリー』=「おもちゃ」の物語"だとしたら、これはもう制作陣には、舌を巻くばかりです。

例え今は受け入れられなくとも、『トイ・ストーリー』や、ウッディらおもちゃ達の事が大好きなのは、みんな一緒だもの。

5歳からずっと私のヒーローだったウッディの決断を、いつか穏やかな笑顔で受け入れてあげたいから…

今はもう少しだけ、気持ちを整えて、想いを馳せたいと思います。

 

『トイ・ストーリー4』
2019年7月12日(金)全国公開中

幼少期よりディズニー、ピクサー、スター・ウォーズに囲まれて育った、ワカンダ国民になりたい社会人。3度の飯よりディズニー映画が好き。新作映画や国内外パーク、ディズニーチャンネル等幅広く情報収集しています。

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