高良健吾(左)と前田敦子

 映画『葬式の名人』の完成披露上映会が29日、東京都内で行われ、出演者の前田敦子、高良健吾と樋口尚文監督が舞台あいさつに出席した。

 オールロケを行った大阪・茨木市では今月16日に先行公開され、既に興収1000万円を突破。主演の前田は「撮った場所の人に受け入れられたことがうれしい。それだけで報われた気持ちになります」と感慨深げに話した。

 本作は、不慮の事故で亡くなった高校の同級生のために集まった仲間たちが、母校で通夜を営む一夜を描くファンタジックな人間ドラマ。前田は初のシングルマザー役で、撮影後に妊娠を発表(今年3月に出産)したため、「子どもっていいものだなと思いました」と振り返った。さらに、関西弁にも初挑戦で「高良さんが上手でヤバいと思い、(練習を)かなりやりました」と苦笑交じりに語った。

 一方、NHK朝のテレビ小説「べっぴんさん」で関西弁の経験がある高良も「全部ムズい。この作品をやりたいと思ったのは、苦手意識を取りたかったから。でも、かなり勢いでした」と明かした。

 2人は3度目の共演で、タイトルにちなんでお互いを何の名人かで表現することになり、高良は前田を「脱力の名人」とした。「気合は入っているのだろうけれど、威圧感を与えない。リラックスしているのが、芝居を見ても分かる」と天性の演技力を称賛した。

 前田は「派手な服が似合う名人」と高良のファッションに着目。この日もスーツの下に派手なスカーフをのぞかせており、「違う人が着たら大変ですよ。前にもプライベートで派手なパンツをはいていて、『すげえ、よくはけますね』と言ったことがある。せっかく褒めていただいたのにすいません」と理由を説明。これには高良も、「まさかだった」と苦笑しきりだった。

 映画は9月20日から全国ロードショー。