あなたのご主人は大丈夫?
中年になり、人生はいよいよ折り返し地点。これまで通りの成長曲線を描きにくくなるのがこの時期です。こと仕事に関しては、20代、30代と右肩あがりだったものが、ふと止まる瞬間があったりするのです。
必至に働いて様々な経験を積み、適切な判断ができるようになった。そして、それなりに責任のある立場に立ったが、それ以降に新しい目的を見つけることができずにモチベーションが上がらない。というか、ここらで昇格が止まるという右肩上がりの終わりが見えるのが、この時期なのです。
これは上昇停止症候群と言われるもの。「年とともに地位も上がり、収入も増え、すべてがより良い状態に移行していくと思っていたのに、中高年にさしかかって、とうとう上昇が停止し、やがて自分の人生が下降線をたどりはじめたことを認めざるを得なくなる」と同書で解説されています。焦りと不安が中高年を襲うのです。
続いて劇的な社会の変化。「自分は時代の流れについていけていないのでは」とはどの時代も中高年の悩み事でした。しかし、昨今のIT化によるライフスタイルの変化は、これまでのそれとは違い、若者でもIT化についていけないほどに流れが速くなっています。
これまで若者に対し、ご自身の経験値を使って指導をしていた中高年の方々ですが、ことITに関しては不得手な方も多く、逆に若者を頼るという構図になっています。威厳を保ちたいのに、そうはいかない。こういった逆転現象を受け入れられず、ストレスを抱えるのです。
「家庭で正当に評価されない」という悩み
また、家庭での立場も微妙に難しくなる年齢でもあります。
この世代の親は、子どもたちが思春期にさしかかる頃であるし、そもそもご自身の親の介護問題も出て来る。また夫婦間のコミュニケーション不足も問題になっている家庭もあります。
そうなると、母子密着化が顕著となり、父親の居場所がなくなってしまうのです。家族のため死にものぐるいで働いてきたにもかかわらず、稼ぎ手としての自分が正当に評価されない。
思うようにいかないケースが増えるのが、この中高年という世代。交通機関にしても、コンビニにしても、銀行にしても、自身が「お客さん」という立場になるので、そのストレスを発散するかたちで、つい高圧的な態度をとってしまうのです。
この世代について赤裸々にご自身の経験を語ったのが、幅広いジャンルで活躍される糸井重里さん(67歳)です。