VISUMALで保護されている猫 提供:中村さん

——具体的にどのような活動をされているんですか?

中村:主に、殺処分されてしまう動物たちを保護し、里親探しを行っています。でも、今後は啓発活動にも力を入れて、一匹でもいいから保護活動をやってみようと思ってくれる人を増やした方がいいのかなと思っています。

今は自宅で猫を10匹保護しているのですが、保護できる数に限界がありまして。もっと多くの子たちを保護できるよう、5年以内にシェルターの設立を目指しています。

———保護しているのは猫だけですか?

中村:犬も保護することがあるのですが、殺処分数は圧倒的に猫の方が多いんです。なので、必然的に猫の保護が多くなります。以前は犬を保護していたこともあり、無事里親さんが見つかった写真も、ホームページの卒業生の欄にありますよ。猫の写真の中にまざって2頭、犬がいます(笑)

VISUMALで保護されている猫 提供:中村さん

バンドマンやバンギャルさんへの譲渡も増加中

——保護された動物は、どのような流れで里親さんが決まるんですか?

中村:「ペットのおうち」という里親募集サイトがありまして、そこに保護猫たちの情報を掲載し、VISUMALのTwitterアカウントから「この子の里親を探しています。詳しくはこちらへ」と誘導して応募してもらいます。

そして、応募者のアンケートを確認し、書類審査に通過したら、里親希望者の方とお見合いです。そのお見合いがうまくいけば、私が自宅に猫をお届けするという流れになっています。

——譲渡の審査で重要視するのはどのような点ですか?

中村:どこを重視というとうまく言えないのですが、直感が大きいです。やはり、生き物なので「欲しいです」「はい、あげます」とはいかないんですよね。だから、「早く早く」と焦る人に譲渡するのは思いとどまってしまいます。おもちゃをねだっている子どものように思えてしまって。

逆に「この子は生涯うちの子なので急がないです。のんびり待つので、中村さんの都合の良いときに届けに来てください」という方の方が安心して譲渡できます。私、里親さんを見る目だけはあるんです(笑)

VISUMALで保護されている猫 提供:中村さん

——やはり、バンドマンさんやバンギャルさんに譲渡することが多いのでしょうか?

中村:一般の方もいますが、最近はバンドマンさんやバンギャルさんに譲渡することも増えてきました。他の保護団体さんって、一人暮らしの男性だと譲渡を断る場合が多いんです。里親詐欺をする人に一人暮らしの男性が多いという理由で……。

そして、バンドマンやバンギャルさんって髪色や恰好が派手な人も多いので、そこでも偏見があったりして。

でも、一人暮らしの男性というだけで却下というのはどうかと思うので、VISUMALでは男性にも積極的に譲渡の相談を受けるようにしています。「他の団体さんはダメだったけど、VISUMALさんは譲渡してくれてうれしい」と言ってくださったバンドマンさんもいましたね。

GENGAH.というバンドのボーカルのhajimeさんが飼っている猫のわらびちゃんとモコちゃんも、VISUMAL出身の子なんです。