『男性の下着ばかり盗む泥棒猫が現われる』
――先日、ニュージーランド発の珍しい事件(?)が報じられネットで話題となった。
今のところ、この飼い主さんが罪に問われたという話はないが、愛猫を外に出られるように飼っていると思わぬトラブルを引き起こす場合がある。
うちの猫がご近所さんに被害を与えたら訴えられる?
逆に、ご近所さんがうちの猫にケガさせたら治療費を請求できる?
今回は猫の外飼いで生じる可能性がある“法的なリスク”を、ペット問題にも詳しいアディーレ法律事務所の篠田恵里香弁護士に聞いてみた。
法的リスクは十分にある
たかがペットのことで大げさな、と思われるかもしれないが、篠田弁護士によれば「民事だけでなく、刑事罰に問われる可能性もあります」という。
まず損害賠償請求など、民事での法的根拠は民法718条に「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う」と記されている。
飼い主に刑事罰が科される法的根拠としては、動物愛護法(動物の愛護及び管理に関する法律)、各自治体の条例がある。これらに違反すると罰金や懲役などもありえる。また、ペットが他人を死傷させた場合、飼い主の管理に過失があれば、刑法の業務上過失致死傷罪に問われることもある。
猫ではなく犬の話だが、2014年に北海道で「リードを放された土佐犬が女性を襲って溺死させた」事件では、飼い主に刑事罰のほか、民事でも6,300万円という超高額の損害賠償が命じられた。与えた損害の大きさや過失度合いによっては“たかがペットのやったこと”などと軽々しく言えないのだ。