映画『記憶にございません!』の初日舞台あいさつが13日、東京都内で行われ、三谷幸喜監督と出演者の中井貴一、ディーン・フジオカ、石田ゆり子、草刈正雄、佐藤浩市ほかが登壇した。
配給の東宝によれば、本作は全国352スクリーンで封切られ、この日の動員と週末の座席予約状況を踏まえて、興行収入30億円を狙えることが推測できたという。
史上最低の支持率2.3パーセントの総理大臣を演じた中井は「やっと皆さんの手に届く日がきた」と語り、「大ヒット当確」の看板に花をつけて満面の笑みを浮かべた。
三谷監督作品には数多く出演しており、「映画は1回だけ見ればいいというルールはない。三谷さんの脚本は4回ぐらい見ると、いろいろなことが分かってくるんです」とリピーターを期待した。
さらに「この映画を見たことを忘れてもらって構いません。周りに『記憶にございません』と言っていただけるだけで宣伝になります」と声を張り上げ、選挙演説さながらにアピールした。
三谷監督は「僕は俳優が大好きで、いい形で映画に残したいというモチベーションで作っている。今回はいい形で出来上がった」と自信のほどを語った。
そして「今日はうれしいことが三つあった。一つはいい形で初日を迎えられたこと。二つ目は宣伝で『VS嵐』に出て壁を上ったときに五十肩になったけれど、昨日針を打ってガッツポーズができるようになったこと。三つ目は去年の夏に撮影したことをほとんど忘れていた石田ゆり子さんが思い出してくれたことです」と、一気にまくし立てた。
石田は「ちゃんと覚えていますよ」と釈明しつつ、「初めて三谷監督に声を掛けてもらえてうれしかった。ほぼ1シーン1カットで、これでいいのかと思っているうちに終わってしまう。力がないと出られない組でした」と満足げに振り返った。
それでも「私、大丈夫でしたか?」と不安げな石田に対し、三谷監督は「日本を代表するコメディエンヌですよ」と太鼓判を押した。