「欧米では、企業の採用担当者が応募者のフェイスブックの投稿や、誰と繋がっているかをチェックすることが当たり前に行なわれています。日本でも、仕事先の人などと『友達』になったことで、思っていることを素直に投稿できなくなったとストレスを感じている人も多いでしょう。不特定多数とのコミュニケーションに疲れたユーザーが、気軽に発信できる場所を求めたことで、PathなどのクローズドなSNSが注目されているのではないでしょうか」
「Path」は、2010年11月のリリース以降、すでに200万以上の投稿を集めるサービスに成長。2月には、ツイッター社と業務提携しているデジタルガレージが、「Path」への出資を発表したばかりだ。
また、韓国のベンチャー企業VCNCが立ち上げた「Between」と、日本のDACが運営する「Honeylemon」は、2人だけで利用できる恋人専用のSNS。いずれも多言語対応し、グローバルな展開を目指している。こうしたクローズドなSNSは、今後さらに広く普及していくことになるのだろうか?
「独り言のような投稿でも、友達や恋人同士で共有することで意味が生まれます。電話帳のようなフェイスブックの広く薄い繋がりとは別に、本当に親しい人と密に繋がりたいユーザーは少なくないはず。SNSをいくつも使い分けるのは大変ですが、あるコミュニティに限って特定のSNSを使う、という利用のされ方は、広まる可能性があると思います」(三橋さん)
広く浅くより、狭く深く繋がりたいユーザーの需要をどれだけ組み込めるか。それがクローズドなSNSの成功の鍵を握りそうだ。