生徒会長になり『颯良色のさくら学院を作ってね』とメールが来た
——2016年5月5日の転入式では、6代目生徒会長という大役に任命されました。当日の生徒総会でサプライズ発表された瞬間の心境はいかがでしたか?
倉島「正直、気持ちの整理が付かなかったですね。私が見てきた転入式では、生徒会長の発表はいつも最後だったんです。でも、今年度は最初に発表されたので、たぶん自分が参加してきたライブやイベントの中でもいちばん緊張していました。
生徒総会までは中3になったから何かしらの役職に付くだろうとは思っていたんですけど、いざ呼ばれると、自分がもし選ばれたらと考えていた言葉もみんな吹き飛んでました(笑)」
——客席にも誰が選ばれるんだろうという、独特な緊張感が流れていました。実際、生徒会長になってからはいかがですか?
倉島「元々、実際の学校では委員会にも入らないし、みんなについていく性格だったんですよ。でも、さくら学院では生徒会長としてレッスンで自分から発言したり、積極的な姿勢が身についてきたのかふだんからも思ったことを言えるようになりました。
私はどちらかといえば引っ張るというより見守るタイプで、パフォーマンスしている時にまわりをよく見るようにもなったかな。自分が『引っ張ろう』と力み過ぎてしまうと楽しめなくなってしまうだろうから、みんなに寄り添って支えるというのが大切だと実感しています」
——6月19日には転入生オリエンテーションも控えていますが、転入式も終わり、徐々に自覚も芽生えてきた感じでしょうか?
倉島「はい、少しずつですね。生徒会長に決まってからレッスンを通して徐々に『自分がちゃんとやらなきゃ』という意識も高くなってきた気がするし、時にはダメな部分もきちんと注意したり、言うべきことをはっきりと伝えられるようになりました」
——生徒会長としての立場はもちろん、中等部3年になったという実感もわいてきましたか?
倉島「2015年度の卒業式から転入式までの間は正直、ぽっかり穴が空いた感覚だったんです。卒業式の数週間前から、昨年度の卒業生だった莉音ちゃんや(大賀)咲希ちゃん、(白井)沙樹ちゃんから『中3になるんだよ』と聞いていたんですけど、実感がわかなくて。
3人が実際にいなくなってから転入式までは不安もあったんですけど、今になってようやく、みんなが教えてくれたことの意味が少しずつ分かるようになった気もします」
——倉島さんの思う理想の生徒会長像とはどんな存在でしょうか?
倉島「時には厳しく、怒るべきところは怒れる人ですね。自分に今足りないところでもあるんですけど、相手が『言われたら嫌だろうな』と感じると、申し訳なくてなかなか言い出せない瞬間もあるんです。だから、時にはやさしく時には厳しく接するのはもちろん、自分ができないことはみんなに注意することはできないので、お手本となれるように顔笑っていきたいです」
——転入から3年目を迎えましたが、活動を共にした中では、2014年度に生徒会長を務めた菊地最愛さんと2015年度の磯野さんの存在はやはり大きいですか?
倉島「2人ともさくら学院に“全力”でした。最愛ちゃんはふだんはくっついてきたりするんですけど、レッスンになると歌詞や振り付けの細かな理由をひとつひとつ伝えてくれたんです。あと、転入したての頃、ライブ中に気を抜くと真顔になってしまうことがあり、自分では120%の笑顔のつもりなのに見返すとたしかに真顔なんです(笑)。その時に表情の作り方を教えてくれたのも最愛ちゃんでした。
莉音ちゃんは転入式後に『不安な気持ちもあると思うけどみんなと踊ることがもっと楽しくなるから、1年間悔いを残さないように頑張ってね』とメールもくれて、今でも2人から教わったことが歌やダンスにも活かされていると思います」
——代々受け継がれるというさくら学院ならではのエピソードだとも思います。他に、歴代の先輩たちとの思い出はありますか?
倉島「先輩たちからは転入式後に『颯良色のさくら学院を作ってね』とメールをいただきました。教わったことの中では、ダンスの見せ方が印象に残っていますね。元からダンスを経験していたけど、さくら学院では“歌詞に乗せて踊る”部分が異なり、みんなで動きを合わせながら顔や身体の角度を工夫して自分も見せるというのが初めのうちは大変だったんです。
でも、ダメ出しをされて練習して、先輩たちから『治ってるね』と言われるのがうれしくて『もっと頑張らなきゃ』と思えるようになったんです」
——ご自身が言われた中で、印象的だった言葉はありましたか?
倉島「2014年度卒業生の(水野)由結ちゃんからかけられた言葉ですね。ちょうど自分が転入した年の夏頃で、練習を怠ってレッスンへ行ってしまった時があって。今思えばみんなとも仲良くなってきて少し気が抜けていた時期で、由結ちゃんから『みんなお家でも練習してきているからちゃんとしなきゃダメだよ』と言われたんです。
その言葉で気持ちが引き締まり、先輩たちが頑張っている姿をお手本に『ちゃんと付いていかなきゃ』と思えたのでレッスン後に練習方法を教えてもらい、自主練にも力を入れるようになりました」