絵画や彫刻など、美術品の鑑賞が趣味という方は多くいます。しかし、それらを自分で購入して収集するとなると、なかなか手が出せません。
美術品の収集を趣味とする、いわゆるコレクターと呼ばれる人は、お金が有り余っている大富豪。そんなイメージがあるかもしれません。
しかし、そんなことはありません。自分のお財布の許す範囲内で、お気に入りの美術品を買って楽しむことができるのです。
4月よりぴあでは、現代アートへの疑問に答え、その面白さや複雑さを考える学校を運営してきたNPOの「AIT / エイト」と協力し、アートの力によって感性の受け皿を広げる通年プログラム「ART MEETS YOU」をスタートしました。記念すべき第1回目となる今回は、「できることから、始めてみる」をキーワードに、美術品との出会いを体験してもらいました。
会場となったのは、5月12~14日に東京国際フォーラムで開催された日本最大のアートの見本市「アートフェア東京」。この会場を、日本でも有数のコレクターである宮津大輔さんとともに巡りました。
今回は、その模様をレポートします。
サラリーマンコレクターと巡るアートフェア東京
アートフェア東京は、今回で11回目の開催。古美術、工芸、ジュエリー、近・現代美術など、時代やジャンルを超えた国内外の美術品が一堂に会する日本最大のアートの見本市。展示されている作品のほとんどが、その場で購入可能です。
ナビゲーターは、サラリーマンコレクターとして知られる宮津大輔さん。普段は会社勤めをしながら、コツコツと収集した作品は400点にのぼります。アジアのアートに詳しく、台湾や韓国などでコレクション展を開催したこともあるほどです。
まずは、NPO法人「AIT / エイト」理事長の塩見有子さんより、今回のイベントの趣旨や、アートフェア東京の特徴について案内がありました。
アート作品を見て、感じて、考えることの楽しみを見つけ、それをなんども繰り返すことで自分なりのアートの見方が自然と作られてくるとのこと。はじめはよくわからなくても、興味をもったところから、まずは始めてみるのが良さそうです。
続いて宮津さんにバトンタッチし、今回のイベントについて説明を受けます。
「今、アートはアジアが熱い。アートフェアのいいところは、1ヶ所で世界中のアートを見ることができる点。美術館ではガラス越しに美術品を鑑賞しますが、アートフェアでは直接目にすることができます。購入すれば、毎日自宅で見ることができます。
もちろん高価なものもありますが、みなさんの月々のお小遣いで買えるものもあります。自分でも買えるんだ、こういうものもあるんだ。そういう楽しみ方を、今日は感じていただきたいと思います」
参加者のほとんどが、アートフェアは初めて。しかも、美術品を購入したことがある人もほぼいません。でも、アートには興味がある、さらには買うことにも関心がある、 いわゆる「コレクター予備軍」なのです。
ということで、参加者のみなさんとともに、会場へ繰り出しました。