走り抜けるように本編の1部が終了。10分以上の長い転換の末、ようやく2部がスタート。フロアから歓声が上がる。メンバーはバンドTシャツで登場。儿はノーメイクで現れた。濃いメイクだと表情が隠れがちであるが、ノーメイクだと顔が明るく見え、親しみが沸いてくる。

2部のスタートは『INSIDE SILENCE』。儿は「お前らの全力をさらけだして来い!」と叫ぶやいなや、ファンの頭を鷲掴みにしたり、マイクをジーンズの中に入れてセクシーな姿を晒したりと、やりたい放題パワフルに駆け回る。

THE BLACK SWAN 樹 撮影:tama
THE BLACK SWAN 煉 撮影:tama

メロディアスな『I SOLATION』『I’M SHIT NOODLE, BUT…』と続き、さらに会場がヒートアップ。『XXX IN THE BOX』では、フロアは左右にモッシュで揺れた。樹もギターを置き、両手を空けた状態でファンを煽る姿が印象的だった。メンバーの名前をデスボイスで叫ぶ声が響く。

THE BLACK SWAN 誠 撮影:tama
THE BLACK SWAN RENA 撮影:tama

と、ここまで一切MCを行わずに突っ走ってきた5人。儿の「お前の声聞かせてくれよ! 愛してくれよ!」という儿のシャウトの後、この日初となるMCを行った。

「今月で2周年を迎えることができました。この1年間、本当に怒濤の1年でした。ちょうど去年の5月くらいにメンバー全員で話し合い、俺たちは媚びない音楽をやっていこうと決めました。アルバムを出すにも一筋縄にいかなくて時間がかかったけど、最高のアルバムができたと思っています。そして、事務所にも所属して、猫で注目されて……本当に良い事も悪い事もいっぱいありました」(儿)

そう、昨年夏に煉が子猫を保護したことで話題を呼び、テレビ番組『トコトン掘り下げ隊!生き物にサンキュー!!』(TBS)に出演。煉と猫の虎徹だけでなく、THE BLACK SWANのメンバーの姿も地上波に流れ、一躍お茶の間の人気者となったのだ。この日、番組からも花が届けられていた。

TBS『トコトン掘り下げ隊 生き物にサンキュー!」からお花が。撮影:tama

また、写真集『煉と虎徹』(河出書房新社)も発売。以前、筆者は煉と撮影担当のネコグラファー・前田悟志氏の対談取材も行っている。