SORA(Dr)

SaZやMiyakoの楽器を奪ってはフロアに降りては煽りまくり、なぜかフロアから「ドッラムソロ! ドッラムソロ!」と扇動する暴君千秋、それを受けて突如始まるSORAのドラムソロ。

「こっからだぜ~」という千秋の声に歓声をあげるフロア。「女の方、男の方ーー? 声帯ついてるか? 叫べるよな? 俺はお前たちが大っ嫌いさ!」と、『「教育」』。

「すっげえ、汚くて、下手くそで、偽物っぽくて、そんな偽物か、本物か、わからないけど、今日、これが僕達の――“正しい音”だ!」という宣誓から、『「セイオン」』。

『包丁の正しい使い方~終息編~』のイントロが始まると、左右に別れるフロアに対して「答えはきっと真ん中にあると思うんだよ…」とスルスルと中央に進んでいく千秋(途中でかけ寄ってきたファンの男性のメガネを奪う)。そして「東京! はじめましょう!」と彼の合図でWoDが発生。

『「秘密」』では客席全体が座りだし、一体となったヘドバンは壮観であったし、激しさを増していくと思いきや、最後はトーチの炎が揺らめく中スタートした『「擬死」』で幕を閉じた。

DEZERT

本編終了後もステージのトーチの炎が燃え盛り、フロアの温度が(比喩ではなく文字通りの意味でも)じわじわと上がっていく中、鳴り止まないアンコール。それに応えてふたたびステージに現れるメンバー。そして清涼剤のように『「遭難」』が演奏された。

拍手で迎えられる中、タオルで顔半分を覆った千秋がの口からぽつりぽつりと、アンコールが昔から嫌いで自分がライブに行く時はアンコールは観ないだとか、バンドを始めるときはZeppTokyoでやる頃は味方なんだろうと思ったけど“君たち”はそうでもないとか、最近“君たち”以外の周囲が優しいとか、とりとめのない話を続ける。

「バンドやってると問題が出てくるじゃん? “なんのためにバンドをしてるの?”、“お前たちは何を伝えたいの?”とか“売れたいの?”とかいろんな情報が頭に入ってきてわかんない。存在証明というわけでもないし、かといって“騒げればいい”とか“モテたい”っていうのもなんか違うし、音楽で誰かを救いたいというのも違うし。っていうかなんで俺の使った曲で誰かを救わなきゃいけないの?」

「(なんでバンドをやっているのかと)メンバーに聞いたら“バンドをやってるのはバンドやりたいから(Miyako)”って意味分かんないし、“は? お前バンドやりたくないの?(SORA)”って言われるし、“俺ヒゲ生やしていい?(SaZ)”って逆に聞くし…。何そのヒゲ!」

それで一つの答えにたどり着いたんだ、という千秋。

「全部が無意味って考えると、太陽が照ってるのも親がいるのも無意味、俺も無意味! そう考えると、すごく幸せになります。この言葉の意味が…3年後にわかるようなバンドになりたいと思います。ちょっと音を鳴らしてよ! (3人の鳴らす音に対して)これも無意味! この無意味な時間をずっと過ごしていこうと思うんです」