A9 (写真:Seka)
フォトギャラリーライヴバンドとしての強みが光る! A9ツアーファイナル フォトギャラリー

2016529日に、A9の【Tour 2016 TRUTH IN LIGHT AND DARKNESS】のファイナル公演が渋谷のTSUTAYA O-EASTにて行われた。同ツアーでは、413日にリリースされた2nd EPLIGHT AND DARKNESS』を引っ提げ、全国16か所を回った。

去年に1年間の充電期間を終えてからのA9は、アルバム制作にあたってのクラウドファンディングの利用や、衣装制作での一流ファッションデザイナーとのコラボなど、革新的な試みで注目を集めている。

今回のツアーでも2つの新たな試みにチャレンジして話題となっていた。1つめはライヴ本編を2部構成にして、1部はムービングライトを使わずに、映像のみで世界観を作り出してゆくという試み。虎が気合を入れて大部分を制作したという映像が、プロジェクションマッピングのようにステージを覆うさまは、ロックバンドのライヴというより、モダンアートのインスタレーション作品を見ているような新しい感覚を生んだ。

2つ目は下手からBa.沙我、Dr.NaoGt.虎、Gt.ヒロト、の並びでぐるりとVo.将のマイクを囲むような立ち位置で演奏するという試み。メンバーが視線を合わせてタイミングを計ったり、笑い合うのがよく見えて、A9の信頼関係や空気感そのものが可視化されているように感じられた。目の前で音が生まれていくところをより鮮やかに見せるような試みだったと思う。

定刻過ぎ、BGMがやむとNaoが登場。「ツアーファイナル!ばっちりだー!!」と茶目っ気たっぷりに叫んで、歓声の中でリズムを刻み始める。そこに沙我、ヒロト、虎が続いて順に登場し、音を重ねていくセッションが始まった。メンバー同士が笑顔を交し合い、共に音で遊ぶようなグルーヴが会場に満ちる中、最後に将が登場。

1曲目は最新EPより「SILVER」だ。心地よくうねるバンドサウンドに、ファンのクラップが溶け合っていく。そのまま流れるように、10年以上前にリリースされたアルバム収録曲の「Sive&Diva」へ。この日のライヴは新旧の楽曲が自然な流れで披露され、A9の歴史と楽曲の幅広さに気づかされるようなセットリストになっていた。