「このツアー、すごく幸せでした。最近、バンドを終わらせる発表をした仲間とかが結構いて、それがすごいくやしくてね。いろいろ考えたりしたんだけど。みんながこうして来てくれることが気づいたら当たり前になっていて、麻痺してしまっていたこともあったなって。

今回の『LIGHT AND DARKNESS』は、闇の中で俺たちがみんなの光になれたらいいなって思って作りました。でも、今この瞬間のこの空間が俺たちにとっての光です。」(将)

将の真摯な言葉から、『DARKER AND DARKER』へ。

“聞かせて 聞かせて声を――”

懇願するような歌詞から始まる同曲が、結成から10年、今もなお全力で駆けぬけるA9の苦悩と誓いを伝えてくる。

そのまま、ファンのジャンプとコールで会場が揺れた最新アッパーチューン『ANIMUS』、メンバーとファンの全力ヘドバンが壮観だった『九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-WHITE PRAYER』と新旧アッパーチューンが続く。会場のあまりの盛り上がりに、沙我のシャツのボタンが壊れたほどだ。

「レアな曲を……、俺ってずっと歌が甘かったじゃない? この曲のレコーディングの時に沙我くんが、仲良いのを越えてバシッとそのことを言ってくれて、だから大事な曲なんだよね。ファイナルで沙我くんがこの曲をやろうって言ってくれてうれしかった。」

笑顔で懐かしむように語った将の曲振りから『JEWELS』が放たれると、ファンから喜びの歓声が上がる。

ロマンチックなラヴソングに酔いしれる会場に、続いて放たれたのは情感たっぷりのミディアムナンバー『jellyfish』。深海へ誘うような柔らかい将の歌声、よせてはかえす波のような楽器隊のグルーヴが、海の情景を描き出した。

本編はいよいよクライマックスへ。『RAINBOWS』をアッパーな旧バージョンで再び放ち、『THE LAST EMPIRE』『DEAD SCHOOL SCREAMING』『闇ニ散ル桜』……と、ハードチューンをたたみ掛ける。

RAINBOWS』では、ヒロトがフロアにダイブし、沙我がベースを置いてファンと一緒にジャンプ! 『DEAD SCHOOL SCREAMING』では高速ドラミングでNaoが魅せ、虎はステージを縦横無尽に暴れまわってファンの熱を更に煽る。

ライヴを全力で楽しむA9に応えるように、ファンもヘドバンやモッシュでカオティックに盛り上がり、本編ラストは熱い締めくくりとなった。