“ヤミ”とか“病んでる人”へ、何か届けるようなものに変化してきている

——なるほど。マチさんはそうやってファンとやりとりをしたりと、SNSの使い方がものすごく上手いと思います。“マチさん像”みたいなものがあって、変な言い方するとセルフマネージメントが上手い。キャラ立ちみたいなこと考えたりはしてるんでしょうか?

マチ:MeteoroiDは2014年に新体制になって、それまでのキラキラしたサイバーっぽいルックスと音楽性から、いわゆる“コテ系”(ヴィジュアル系のサブジャンルの一つ。黒を基調にしたルックスで激しい音楽性のバンドを指す。)になりました。それからファンの質みたいなものが変わったんですよ。ファンメールで届く内容や、届く声が変わりました。

いじめを受けていたり、家庭環境に問題があったり、「死んでしまいたい」「消えてしまいたい」って思ってる子達がメッセージをくれるようになって。そんな声に対してどうやって応えようかなって考えながら発信しているうちに、“マチ像”みたいなものができたのかな?

そんなに深く見られ方を研究したり、考えてるわけではないですよ。でも、作品のコンセプトとか方向性を最近は俺が案を出していますね。MeteoroiD自体の歌詞も、そういう“ヤミ”とか“病んでる人”へ何か届けるようなものに変化してきています。

俺は文章書いたりすることも好きだし、SNSで発信することに対して、反論だったり「私はそうは思わない!」みたいな意見が届いても、それはそれで面白いなぁと思ったりして。だからもともと何か考えて発信することには向いていたのかもしれません。

——伝えたいことがしっかりしていて、カッコいいヴィジュアル系バンドマンとしての像がありつつも、Twitterで実家に帰省した時の話とか載せていますよね(笑)。生活感とバンド活動、ファンとの距離感なんかが今までにない感じがして、2010年代のヴィジュアル系として新しいバランスなのかなと思います。

マチ:あはは(笑)。実家の話普通に載せちゃいますね(笑)。隠す必要もないと思うんですよね。ヴィジュアル系ってメイクして衣装着て、ステージ上でいつもよりもっとカッコいい自分になってお客さんに楽しんでもらうけど、そのことを演じすぎたり無理をしたりすると、いつか絶対疲れてしまう。

ちゃんと演じられるような、ずっと楽しませ続けて無理がない自分でいることは大切だと思います。現に“コテ系”になった当初の自分達がそれで疲れちゃってた部分があったんですよ。“コテ系”って「喋らない」「なんか怖い」みたいななんとなくのイメージがあるじゃないですか(笑)。