さまざまな質問に気さくに答えたメリル・ストリープ

 映画『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』の来日記者会見が24日、東京都内で行われ、出演者のメリル・ストリープが出席した。

 本作は、実話を基に、 ニューヨーク社交界のトップでソプラノ歌手の夢を追い続けたフローレンス・フォスター・ジェンキンス(メリル)をモデルにした人間ドラマ。絶世の音痴ながら音楽を純粋に愛するフローレンスに引きつけられ、コンサートの夢をかなえようと奮闘する夫シンクレア(ヒュー・グラント)たちの姿を描く。第29回東京国際映画祭のオープニング作品に選ばれた。

 『イントゥ・ザ・ウッズ』以来の来日となったメリルは「前回よりも2倍の人が来てくれているような気がして、本当にうれしいです」と報道陣を前にちゃめっ気たっぷりにあいさつした。

 演じたフローレンスについては「彼女はあまり歌はうまくなかったのですが、音楽を心から愛してニューヨークの街の音楽シーンを支援していました。でも、心の中では自分が歌手になりたかったんです」と説明。

 その上で、音痴ながら心を打たれる不思議な歌声について「この作品のために『アリア』をきちんと歌えるよう2カ月トレーニングをして、最後の2週間でそれを崩す練習をしました」と役作りの秘訣(ひけつ)を語った。

 また、映画に絡めて自身の夫婦円満の秘訣を聞かれる一幕も。メリルは「全て夫のおかげだと思っています。夫がアーティストなので、(自分が)役に固執したり、ムードが変わったりすることも理解してくれて。もしほかの職業だったら難しかったかもしれないです」と分析。

 続けて、フローレンス夫婦についても「同じような共通点があるといます」と語り、「二人は夢を持ち続けていて、何かしら芸術と関わっていきたいという思いがありました。一緒に夢を見ていたからこそ、一緒にいられたのだと思います」と話した。

 会見では他にもさまざまな質問に答えた。「出演した作品を見て自分の演技に驚くことは?」と聞かれた際には「出演した作品を初めて見る時は共演者たちの素晴らしさにいつも気づかされます。役を演じている間は主観的に見ていますが、初めて映画を見る時は監督の視点で全体像が見えるからです」と回答。

 また、今回の来日で驚いたこととして「アメリカで豆腐は1種類しかないけど、ありとあらゆる種類があってびっくりしました」と気さくに答えた。

 映画は12月1日からTOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー。