2016年は社会現象ともなった『シン・ゴジラ』と『君の名は。』の大ヒットに加え、さまざまな名作が生まれた日本映画。
映画を観る楽しみ、語る楽しみも広がって、2017年はさらに幅広い作品が注目されることになりそうだ。
2017年も映画界はマンガ旋風!コミック原作の新境地
『3月のライオン』3月18日(土)前編公開、4月22日(土)後編公開
幼い頃に家族を亡くした17歳のプロ棋士・桐山零。孤独を抱えながら生きる彼が、下街の家族との触れ合いや将棋を通じて、自分の居場所を見つけていく。
アニメも好評を博した羽海野チカの同名人気作を、大友啓史が前後編で映画化。『るろうに剣心』シリーズで大友と組み、『バクマン。』でも見事にマンガキャラクターを演じた神木隆之介が零に扮する。
『帝一の國』4月29日(土)公開
舞台版も人気となった古谷兎丸の同名コミックの映画化。菅田将暉が主演を務め、『世界から猫が消えたなら』の永井聡がメガホンを執る。
日本一の名門校・海帝高校を舞台とした命懸けの生徒会選挙の物語で、『ライチ☆光クラブ』に続いて古谷作品へ出演となる野村周平、竹内涼真、間宮祥太朗、志尊淳、千葉雄大など人気俳優がひとクセある生徒役で共演。
『ピーチガール』5月20日(土)公開
上田美和の人気少女マンガを原作に、恋愛映画初主演の山本美月と映画初出演のHey! Say! JUMPの伊野尾慧がW主演を飾る。
外見から遊んでいると誤解されがちな女子高生・もも、お調子者で学校一のモテ男・カイリ、ももが一途に想いを寄せる硬派な同級生・とーじ(真剣佑)が織り成す三角関係の行先は?
監督は大根仁作品で助監督を務めてきた神徳幸治。
『銀魂』夏公開
パラレルワールドの江戸を舞台に、アクション、人間ドラマ、パロディやエッジの効いたギャグが展開される空知英秋の同名人気作が、小栗旬、菅田将暉、橋本環奈らキャストを迎えてまさかの映画化。
「実写化してしまい本当に申し訳ございません」という福田雄一監督のユーモア溢れる謝罪コメントからして、『銀魂』の世界観が見事実写になっていそう!
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』8月4日(金)公開
荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』の実写映画化が、三池崇史監督のメガホンでついに実現。
日本の“杜王町”を舞台とした第4部『ダイヤモンドは砕けない』を原作に、同じくコミック原作の『一週間フレンズ。』『斉木楠雄のΨ難』も控える山崎賢人、神木隆之介、小松菜奈、岡田将生、真剣佑、山田孝之、伊勢谷友介、観月ありさ、國村隼らが共演する。
監督の志しからして名作の予感!奇才・異才たちの新たなる挑戦
『SYNCHRONIZER』 2月11日(土)公開
人間と動物の脳波を同期させる、倫理を超えた研究に没頭する研究者。彼を一心に愛する女と、彼の愛を一心に受ける母の暴走を描く。立教大学現代心理学部教授でもある万田敏邦の最新作。
『UNLOVED』『接吻』で狂気とも崇高とも狂気とも思える愛を精緻に切り取ってきた異才が、愛をめぐる衝撃のサスペンスで再び魅せる。出演は、万田祐介、宮本なつ。
『バンコクナイツ』2月下旬公開
映像制作集団“空族”の富田克也の監督・脚本による最新作。
高い評価と評判を集めた前作『サウダージ』は「土方、移民、ヒップホップ」をテーマにしていたが、今回は「娼婦、楽園、植民地」。歓楽街で働くタイ人女性と元自衛隊員の日本人の男が桃源郷を目指す物語を、万国の歴史的背景を交え躍動的に描き出す。『サウダーヂ』の伊藤仁、川瀬陽太が出演。
『散歩する侵略者』9月16日(土)公開
初共演となる長澤まさみと松田龍平を主演に迎え、劇団“イキウメ”の人気舞台を黒沢清が映画化。
突然別人のように変わって「地球を侵略しに来た」と言い出す夫と、そんな夫に翻弄される妻。やがてある一家の惨殺事件を皮切りに、夫婦の暮らす街自体も不穏な雰囲気に包まれていく。
共演に長谷川博己。黒沢ワールドが色濃く出た作品となりそうだ。
『彼らが本気で編むときは、』2月25日(土)公開
老人ホームで介護士として働く元男性の女性・リンコ、リンコの恋人のマキオ、マキオの姪で母親に育児放棄された11歳のトモの共同生活が映し出すものとは?
『かもめ食堂』『めがね』の荻上直子による、『レンタネコ』以来5年ぶりの監督作。荻上自身、映画人生の「第二部の始まり」と意気込む一作で、トランスジェンダーの難役に生田斗真が挑む。
『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』5月13日(土)公開
石井裕也が、最果タヒの詩集『夜空はいつでも最高密度の青色だ』をオリジナル脚本のラブストーリーで映画化。看護師の美香と、左目の視力を失った日雇い労働者の慎二が東京で生きていく姿を描く。
美香に石橋凌と原田美枝子の次女・石橋静河が扮して主演を務め、慎二を『ぼくたちの家族』『バンクーバーの朝日』でも石井組に参加した池松壮亮が演じる。