『SUITS/スーツ2』第1話_織田裕二 (C)フジテレビ

 4月13日から放送中のドラマ「SUITS/スーツ2」(フジテレビ系 毎週月曜21時放送)の第2話が20日に放送される。初回は、平均世帯視聴率11.1パーセント(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好調な滑り出しを見せた本作。見逃してしまった人のためにも、ここで改めて、前シーズンから振り返りながら、見どころをおさらいしてみたい。

 「SUITS/スーツ」は、全米メガヒットドラマ「SUITS」を原作に、2018年10月期に“月9ドラマ”枠で放送された、大手弁護士事務所を舞台にしたリーガルドラマ。

 主演は織田裕二で、織田演じる甲斐正午のバディ役を中島裕翔が演じた。また、甲斐の上司役を、1991年放送のドラマ「東京ラブストーリー」以来、27年ぶりの共演となる鈴木保奈美が演じて話題となった。

 都内の大手弁護士事務所「幸村・上杉法律事務所」に所属する甲斐正午(織田)は、東大入学後にハーバード大への留学経験を持つ敏腕弁護士。事務所内でもトップクラスの稼ぎ頭だが、ごう慢な性格が災いして、人にやっかまれることもしばしば。

 ある日、甲斐は上司の幸村チカ(鈴木)から昇進の条件として、アソシエイト(パートナーとして働く若年の弁護士)を雇うことを提示される。そこで新人採用の面接会を開催。偶然会場にやってきた、明せきな頭脳と驚異的な記憶力を持ちながらも、友人の影響でさまざまな悪事に手を染めていた鈴木大貴(中島)と出会うのだった。

 甲斐は大貴の能力を高く評価し、弁護士資格を持たない彼の経歴を詐称した上で、自らの部下とすることを決意。大貴は大輔と名前を改めて、“弁護士”としてのキャリアをスタートさせる。

 このドラマの面白さは、弁護士が活躍するリーガルドラマでありながら、法廷での闘争が一切出てこないところ。甲斐と大輔は、示談になるよう被害者に働きかけたり、加害者に示談金を払ってもらう交渉をしたりと、法廷に出る以前のやりとりで問題を解決していく。難しい法律用語が羅列されるシーンもほとんどないので、肩ひじ張らずに、気軽に楽しめるドラマに仕上がった。

 そして、言わずもがなだが、このドラマの最大の魅力は甲斐と大輔の抜群のバディ感にある。経歴詐称という“一発アウト”の秘密を共有する2人は運命共同体で、だからこそ結びつきも強いのだが、その関係性はあくまでもクール。バディものというと泥くさい関係をイメージしがちだが、本作では、主従関係でありながら対等で、持ちつ持たれつの間柄だ。これまでのバディものとはまた一味違ったものを感じさせる。

 また、犬のような愛しさが感じられる大輔は、中島の魅力を存分に引き出す役どころだが、織田にとっても、甲斐は新たなハマり役といえるだろう。織田といえば「東京ラブストーリー」の長尾完治、「踊る大捜査線」シリーズの青島俊作が思い浮かぶが、年齢を重ね、深みを増した今、その貫禄が甲斐のイメージにはぴったりだ。そこに立っているだけで存在感を放つ織田は甲斐という人物に説得力を与えている。

 さて、シーズン2の第1話では、ボストンにいた大輔を、甲斐が誰にも相談せずに突然呼び戻すところから物語が始まった。大輔が弁護士としての成長を見せる一方で、かつて甲斐が弱みを握り、事務所から追い出した共同代表の上杉一志(吉田鋼太郎)が復帰への意欲をのぞかせ、不穏な空気が漂い始める。怪しさ満開の吉田の登場は、波乱を予感させるには十分だ。

 第2話では、職場復帰した上杉がスタッフの心をつかんでいく一方、甲斐はチカから東京国際記念病院の看護師組合の労使交渉を任される。もともと上杉が獲得したクライアントでもあったが、その交渉は難航を極め…。甲斐と大輔はどんな手を使って交渉を進めていくのか。そして、上杉との闘いはどう進むのか、乞うご期待。(嶋田真己)