黒い謎の液体、燒仙草。甘いトッピングを加えると食べやすくなる

ここ数年、台湾に行く人が増えると同時に、日本の都市部でおしゃれな店が展開され、台湾スイーツが注目されている。

マンゴーかき氷はもちろんのこと、以前から日本でも密かに流通していたタピオカティーが本格的に出店したり、かき氷とともに豆花(豆乳プリン)も扱う店ができたり。

だが、台湾スイーツには日本ではあまり知られていない、台湾でしか食べられないものがある。

今回はそんな台湾スイーツの冬バージョンを7品紹介。

かき氷やタピオカミルクティーなどは冷たいものが基本だが、台湾には意外と寒い冬を彩る多様なホットスイーツがある。

フォトギャラリーどれも体に優しそう!台湾スイーツを写真でじっくり見る
  • 小さな湯圓をお汁粉のようなスープに入れるタイプもある
  • 甘さ控えめ、解熱作用がある緑豆汁粉。脂っこいものを食べた後やお酒を飲んだ後の口直しに
  • 甘味が自然なので男性でも食べやすい西米露
  • 紅白饅頭のようにペアで出てくる黄色いサツマイモと紫色のタロイモの揚げ団子
  • 花生湯には油篠(揚げパン)を入れたら、ちょっとスープを吸ったぐらいで食べると美味しい

■花生湯(ホァシェンタン) 台北

冬のホットスイーツの王様、花生湯には、くたくたに煮込まれた柔らかなピーナッツがたっぷり

台湾スイーツは、大きく冷たいものと温かいものに分けられる。温かいスイーツのなかでも王道で、安定した人気を誇るのが花生湯(ホァシェンタン)と呼ばれるピーナッツスープ(55元)。

たっぷりの皮なしピーナッツをくたくたに甘く煮込んだスープだ。乳白色で、しつこい甘さはなく、ピーナッツの香りと歯ごたえが実に小気味いい。汁粉などを扱う伝統スイーツ店でよく見かける。

一押しの食べ方は台湾式の揚げパン、油條を片手に持ち、ピーナッツスープに付けながら食べる方法。

最初から油條をちぎってピーナッツスープに入れてしまう店もあるのだが、これではせっかくの油條のカリカリした歯ごたえが失われてしまうので、少しずつ付けながら食べるのが良い。油條の油分がピーナッツスープに溶け出して、さらにコクが増す。

三六圓仔店(サンリョウユェンザイデェン)
台北市三水街92號 TEL:02-23917409
8:30~21:30 無休

■杏仁茶(シンレンチャー) 高雄/嘉義

シンプルだが、ほのかなアーモンドの香りが病みつきになる杏仁茶

花生油と同じく油條を付けながら食べるもう一つの熱々スープが杏仁茶だ。

杏仁豆腐と同じようにアーモンドの粉で作られているため、スープからほんのりとアーモンドが香る。

液状の杏仁豆腐といった感じだが、日本の中華料理店のデザートで出る杏仁豆腐のような尖った香りはなく、まろやか。温かいスープとして飲めば体の芯から温まる。

高雄の鹽埕(イェンチェン)にある「FIFTY YEARS杏仁茶」では、温かい杏仁茶(25元)とポテサラサンドイッチ(25元)がおすすめ。

また、嘉義市のロータリーで商う名物女将の「碳燒杏仁茶」なら、生卵を落として油條と一緒にいただけば、それだけでお腹いっぱいになる。杏仁茶は30元、油條はプラス15元。

FIFTY YEARS杏仁茶(シンレンチャー)
高雄市瀬南街223號 TEL:07−5314979
18:30~翌12:00 日曜休

碳燒杏仁茶(タンサオシンレンチャー)
嘉義市民族路191號前 TEL:05−2718746
6:00~10:00 悪天候のとき休み

■湯圓(タンユェン) 嘉義

酒粕と卵を使ったボリュームたっぷりの湯圓は、冬至で食べるのが習わし

湯圓は日本の白玉団子に近いスイーツだ。白玉団子と同様にもち米の粉を使って団子にし、スープに入れて食べる。

だが、同じ団子でも、台湾の湯圓は中に餡が詰まっていて、団子そのものが甘い。小豆餡、ゴマ餡、ピーナッツ餡などバリエーションがあり、これをあっさりしたスープでいただく。

台湾では冬至のときに湯圓を食べて元気をつける風習がある。当日は湯圓を扱うスイーツ店に行列ができる。冷凍湯圓を購入して自宅で作る人も多い。

嘉義の市内には湯圓を酒粕のスープに入れ、生卵を落として食べる店がある。酒粕の風味と卵の甘みがマッチした、ボリュームたっぷりの酒釀蛋湯圓(60元)が楽しめる。

劉湯圓(リョウタンユェン)
嘉義市明國路85-1號 TEL:05-2783761
12:00~22:00 無休