台湾一周旅行は首都台北から時計回りにぐるっと南下し、高雄→岡山→善化を北上中。次の目的地は台南に負けない美食地帯、嘉義(ジャーイー)だ。
おすすめの地方都市は台南でも高雄でもなく、嘉義
台湾に初めて行く人には、まずは台北で台湾料理をひととおり食べて、中正記念堂や迪化街(乾物街)を歩くことをすすめるが、2回目以降は台北+地方をおすすめしたい。
台湾の地方都市は認知度では台南、高雄が抜きん出ているが、私のおすすめは嘉義。聞き覚えのない人が多そうな地名だが、観光資源は大変豊かだ。
そのひとつは食。嘉義には台湾でも3本の指に入るほど活気あふれる大きな朝市がある。その朝市を囲むようにして雑貨店や飲食店がひしめき合っていて、地元の人々の日常を垣間見ることができる。
夜は夜で、街の中心部に夜市があり、小さな食堂もあちこちに点在している。台北や台南と比べると土地にゆとりがあり、道幅も広いので、どことなくゆったりとした雰囲気が漂うのも魅力だ。
1泊5000円で、まずまずのホテルに泊まれる
嘉義のホテルはスマホのアプリから予約したのだが、嘉義は台北、高雄、台南などと比べるとホテルが安いのでありがたい。
物価高と円安の影響で都心のホテルは値上がりしている一方、小さな町はホテル数が少ないためもともと価格設定が高めだ。その点、そこそこ都会でホテル数も多い嘉義は宿が選びやすく、1泊5000円台でかなり贅沢なホテルに泊まることができる。
今回は3つ星ホテルに宿泊。バスタブもあるので久しぶりに湯につかれそうだ。宿泊者は無料で自転車を借りることができるので、早速、夜の市内探検に出かけた。
嘉義の名物は鶏肉オン・ザ・ライス
嘉義で有名なグルメといえば鶏肉飯。魯肉飯と並ぶ台湾庶民に愛される料理だ。
魯肉飯は豚肉なので脂が乗ってこってりしているが、鶏肉飯はヘルシーな塩味。
丼に入った白米の上に、割いた七面鳥や鶏の肉が乗っていて、ダシ汁がかかっている。
見た目が白っぽいのでビジュアル的にはインパクトに欠けるが、予想以上にしっかりと塩味がついていて、肉汁の旨味もたっぷり。
嘉義の人々はしょっちゅう鶏肉飯を食べていて、行きつけの鶏肉飯屋さんがある人も珍しくない。
私も過去に何度も嘉義を訪れ、鶏肉飯を食べ歩いたが、今のところナンバーワンは台湾と日本の合作映画『KANO〜1931海の向こうの甲子園』のロケ弁にも選ばれた『劉里長雞肉飯』という専門店のもの。白米の上に乗っている鶏肉が大きめで、味付けもしっかりしている。