【台湾食べ歩きの旅 #14】大溝頂という古いアーケード内にある朝食店「姉妹老五冷飲」。その名の通り、冷たいドリンクの種類が豊富

愛河で朝のランニング

高雄でのランニングコースは市内を南北に貫く愛河沿いと決めていた。

夜訪れるとライトアップが美しく、おしゃれなカフェやビアガーデンなども立ち並んでいる。

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そんな愛河沿いに向かったのは午前6時。台北や羅東でも朝のランニングをしたが、高雄は北部の街よりもずっと気温も湿度も高く、川沿いへ向かう間にすっかり汗をかいてしまった。

街が動き始める前の愛河は鏡のように静かだ。きれいに整備された川沿いの道は平らで走りやすい。遊歩道に咲く南国らしい赤い花が目を楽しませてくれる。

北投では緑の多い山道や公園を走ったが、高雄の川沿いは広々としていてアカ抜けている。

3年半の間に、新しいビルも建設されたようで、いっそう都会的な表情を見せている。レトロな雰囲気の鹽埕(イェンチェン)から歩いて10分ほどなのに、愛河を挟んで街の様子がガラリと変わる。

朝ごはんの前に南国フルーツで渇きを癒す

近代的な愛河沿いを30分ほど走っておなかを空かせたあとは、朝ごはん探しだ。ふたたび鹽埕エリアに戻り、汗をかいた身体を冷やしながらゆっくりウォーキング。

喉が渇いたので水を買おうとコンビニを探していると、昨夜訪れたワンタンの店のそばまで来た。

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簡易テーブルに客がひしめいていた場所にはテントがかかり、幅の広い道路にはたくさんの長机が並べられている。

相席したビジネスマンが「昼間は市場になっている」というのは、このことだったか。ワンタン店はシャッターが下りていて、客足が途絶えなかった店先にはちょっと時代遅れな婦人服が並べられている。高雄のおばちゃん御用達といったところか。

午前6時、市場は仕込みの真っ最中だ。

【台湾食べ歩きの旅 #14】市場の営業を前に大量のサバヒー(別名ミルクフィッシュ)を下処理する人々。サバヒーは台南や高雄の温かい場所で養殖される魚

業務用のバンから卵が入ったケースをいくつも運び出す人、低い椅子に腰掛けて魚をさばく人、鶏肉が入ったトレイをテーブルに並べる人……。

店舗を持たない店は、小さなスペースであってもその準備や片付けが大変だ。

商売を始める前に、何もない道路にテントを張り、テーブルを置き、氷を敷いた皿に魚や肉を並べていく。毎日、これを繰り返すのかと思うと頭が下がる。

そんな朝市の端に果物屋台ができあがっていくのが見えた。軽トラからパイナップルやスイカを出して簡易テーブルに並べている。

そうだ、ランニング後で喉が渇いていたんだった。みずみずしい果物を目にして急に思い出す。

マンゴーが出回る時期だ。手のひらサイズの赤く熟れたマンゴーが30元(約140円)。

台湾にも物価高の波は来ているし、円安の影響もあるが、それでも安い。屋台に立つお兄さんに「カットしてくれる?」と聞くと、「そんなの、皮をむいてかぶりつきなよ」と言われてしまった。

【台湾食べ歩きの旅 #14】熟したマンゴーはするりと皮がむける。かぶりつくと手がベタベタになるほどの果汁がしたたる

ごもっともである。朝のランニング後の水分補給がマンゴーまるかじりなんて、こんな贅沢があっていいのだろうか。