【台湾食べ歩きの旅#13】「黒乾温州餛飩大王」の前にある鹽埕の「大舞台威霊宮」という民間の廟。両隣を建物に挟まれた小さな廟だが、大仁路にかかる提灯に情緒がある

台北から東回りで南下を続け、台湾第二の都市・高雄に到達した筆者。これで台湾を半周以上したことになる。

フォトギャラリー高雄までの道のり&おすすめスポットを写真で見る
  • アーケードの一角でチマキを販売する女将さん。手作り感たっぷりの独特なチマキが食べられる
  • 鹽埕のアーケード街。古い店がまだ現役でがんばるなか、若者がカフェや雑貨店をオープンする傾向もある
  •  鹽埕の市場が雑貨屋に変身。可愛らしいカードや巾着袋を販売している。表示してある金額を小銭や電子マネーで払う無人システム
  • 『叁捌旅居』でいつも留守番をしている犬の牛牛(ニョウニョウ)。牛のような模様なのでこの名前だとか
  • かつて「正美」という名のウェディング・サロンだったこの場所を、3代目が『叁捌旅居』という民宿にリフォーム。MRT鹽埕埔駅から近く、近所には食堂や市場もあって便利

高雄では、できたばかりのレトロモダン民宿を見学したあと、廟前食堂の豚モツとワンタンを肴に、コンビニで買った缶ビールを流し込んだ。

フォトギャラリー高雄のレトロモダン旅館とおいしい相席食堂のメニューを写真で見る
  • 【台湾食べ歩きの旅#13】「黒乾温州餛飩大王」の豚ミミやイカなどのスライスプレートと、間違って注文した揚げワンタン。結果、ビールに合うおかずだったので◎
  • 【台湾食べ歩きの旅#13】「黒乾温州餛飩大王」のキッチン脇に並んだ豚のモツや海鮮類。指をさして注文すれば、一人前をスライスしてくれる
  • 【台湾食べ歩きの旅#13】「黒乾温州餛飩大王」の前にある鹽埕の「大舞台威霊宮」という民間の廟。両隣を建物に挟まれた小さな廟だが、大仁路にかかる提灯に情緒がある
  • 【台湾食べ歩きの旅#13】鹽埕の大仁路に大胆にテーブルを並べた「黒乾温州餛飩大王」。夜の7時以降は客足が途絶えない
  • 【台湾食べ歩きの旅#13】モダンで使いやすい「House of Takao Ginza」のキッチン。市場で食材を買って料理を楽しむこともできる

高雄・鹽埕のホットスポット

高雄の鹽埕(イェンチェン)という港町には、どこか懐かしい古風な町並みが残っている。

いくつかあるアーケード商店街は時代に取り残されたようにひっそりとしているが、それでも中には曇りガラスの向こうに年配の現役店主が座ってテレビを見ていたりする店もある。

そんな旧アーケード商店街のひとつに「高雄銀座」と呼ばれる場所がある。

神奈川県生まれの私には、銀座というより横浜の伊勢佐木町のような匂いを感じるのだが、1970年代半ば頃までは洗練された服飾店などで賑わったそうだ。

【台湾食べ歩きの旅#13】高雄の鹽埕(イェンチェン)にあるアーケード商店街「高雄銀座」の跡地。上の古い看板には「旗袍」(チャイナドレス)とあるが、今はおしゃれなカフェに生まれ変わっている

以降は老朽化が進むばかりだったが、そんな「銀座跡地」に新しい動きがある。

古いウエディングサロンを改装し、レトロモダンな民宿『叁捌旅居』を作ったオーナーが、旧高雄銀座の一角に1棟貸し切りの民宿をオープンしたのだ。その名も「House of Takao Ginza」。

1階と2階は誰でも入れるカフェになっており、3階以上が宿泊施設。1泊1組限定で、最大4人まで泊まれる。

靴を脱いで足を伸ばせる和室、骨董家具の本棚、レトロなタイル貼りのお風呂や洗面所、広々としたキッチンやダイニングテーブルなどが完備されている。

懐かしさと洗練された感じが両立していて、とってもおしゃれ。

案内してくれた女性いわく、「古いものを今に活かすには、やはり手入れが大事」だそう。壊れた部分を丁寧に直し、汚れたところはきれいに磨き上げる。

そうしてこそ、古いものが昔の姿のままよみがえるのだ。

【台湾食べ歩きの旅#13】古い家具を丁寧に磨き上げ、ゆったりとしたスペースを作るのが上手な宿だ。時間を忘れて鹽埕にとどまりたくなる

昭和を思わせるタイル貼りの洗面台は、なるほど彼女の言う通りピカピカに磨き上げられていて真新しいようでいて、積年の風合いもしっかりと見て取れるからおもしろい。