■燒仙草(サオシェンツァオ)

黒い謎の液体、燒仙草。甘いトッピングを加えると食べやすくなる

台湾各地の屋台でよく見かける、謎の黒い液体。これが仙草だ。夏は黒くて冷たいドリンクとして屋台などで売られているが、冬は温かい仙草にサツマイモやタロイモの団子をトッピングして売られている。

温かい仙草は液状だが、時間が経つと固まる性質があるので、屋台で食べているうちに熱々の黒いスープ状から、ドロっとしたゼリー状に変化する。これがなかなか楽しい。

見た目が黒いので敬遠されがちだが、苦味の中にスーッとしたミントのような爽やかさがあり、トッピング次第では甘みも増すので冬場のファンは多い。また、黒くて四角いゼリー状にして豆花やかき氷のトッピングにすることもある。

■地瓜球・芋頭球(ディーグアチョウ・ユートウチョウ)

紅白饅頭のようにペアで出てくる黄色いサツマイモと紫色のタロイモの揚げ団子

台湾全土の夜市で見かける黄色と紫色のボール。黄色はサツマイモ、紫色はタロイモを原材料とした揚げ団子だ。サツマイモとタロイモの2色ペアは、まるで日本の紅白饅頭のようにさまざまなスイーツに用いられる。

かき氷や汁粉にもこの2色団子のトッピングが使われることが多く、マントウ(餡のないまんじゅう)にもたいてい黄色いサツマイモ味と紫色のタロイモ味がある。

夜市のサツマイモ・タロイモ揚げ団子は、それぞれのペーストを団子状にして油で揚げたもの。

アツアツの状態で紙袋に入れてもらい、夜市を歩きながら竹串でつついて食べる。外はカリッとしていて、中はモチモチ感が残っている。

小腹がすいたときちょうどよくフィットするおやつだ。

■緑豆湯(リュウドウタン) 台北

甘さ控えめ、解熱作用がある緑豆汁粉。脂っこいものを食べた後やお酒を飲んだ後の口直しに

日本ではモヤシの種として、あるいは春雨の原料としてくらいしか知られていない緑豆。これが台湾ではスイーツや料理によく使われる。

解毒作用がある上、値段も安いので、台湾人は緑豆が大好きだ。

緑豆は砂糖を加えて煮るとほんのり甘い緑豆汁粉になる。夏は牛乳と一緒にミキサーにかけると緑豆シェイクになるのだが、冬は温かい汁粉がおすすめだ。

艋舺夜市がある廣州街と梧州街が交差するところには、私のお気に入りの緑豆湯屋台がある。夜市で食事をしたり、飲み歩いたりした後に、この屋台に寄ってほんのり甘い緑豆汁粉をいただいている。

疲れた胃を休めて、ひと息つくことができる。

緑豆湯(リュウドウタン)
梧州街と廣州街の交差点(艋舺夜市内)
16:00~23:00 不定休

■西米露(シーミールー) 台北

甘味が自然なので男性でも食べやすい西米露

日本でも中華料理店のコース料理のあとにデザートとして出されることが多いココナッツミルク。その中に入っているつぶつぶが西米露(シーミールー)というタピオカのようなもの。

南国の植物から作られており、台湾でもデザートに使われることが多い。台北にはこの西米露とタロイモのスイーツ専門店がある。

上品で香りのよいタロイモスープに、ゴロンとおおきなタロイモの煮込みが入っており、そこに西米露のつぶつぶがたっぷり入っている。

ほわっと温かいスープはしつこくなく、ほのかな甘みが心地よい。この上品さが台湾女子のあいだで不朽の人気を誇っているのだ。ちなみに、夏は冷たいデザートとしても楽しむことができる。

芋香園(ユーシャンユェン)
台北市大安路52巷20號 TEL:02-27720133
11:00~21:00 無休

みつせ のりこ:90年代から台湾と関わり、台北で留学や就職、結婚や子育ても経験。現在は執筆や通訳、取材コーディネートの仕事で日本と台湾を往復している。著書に『台湾の人情食堂 こだわりグルメ旅』『美味しい台湾 食べ歩きの達人』『台湾縦断! 人情食堂と美景の旅』『台湾一周!!途中下車、美味しい旅』など。株式会社キーワード所属。