「第26回日本映画批評家大賞」の授賞式が16日、東京都内で行われ、中野量太監督の『湯を沸かすほどの熱い愛』が作品賞、監督賞、主演女優賞(宮沢りえ)、助演女優賞(杉咲花)の4部門で栄冠に輝いた。
杉咲は、トロフィーを手に「すてきな賞をありがとうございます。正直、完成したものを初めて見た時は、自分の演技に反省点が幾つもあったのですが、あの時、自分にできる精いっぱいのものを出し切ることができたんじゃないかな…と思っていて。それもこの映画に携わってくれた全ての方々のおかげです」と感謝の思いを口にした。
劇中では、余命わずかな母(宮沢)の思いを受け取り、強く生きていく高校生の安澄役を熱演。クランクイン前には中野監督から「見せる演技じゃなくて、見える演技になってほしい」「宮沢りえさんと本当に親子のような関係性になってほしい」などと言葉を掛けられたと明かした。
杉咲は「今までにないアプローチの仕方でしたが、役に近付ける環境を作っていただけました」と語った。また「宮沢りえさんは現場でずっと“お母ちゃん”として存在してくれて、すごい熱量で受け止めてくださったし、投げ掛けてくださった。それに本当に救っていただきました」と宮沢に感謝を述べた。
宮沢は、スケジュールの都合で授賞式を欠席。文書で「撮影からだいぶ月日がたちましたが、『湯を沸かすほどの熱い愛』が起こした波紋はいつまでも続いているんだな…と賞を通じて感じることができて、すごくうれしいですし、とても光栄に思います。主演女優賞を頂くということは、素晴らしい脚本と監督、スタッフ、共演の方々とのバランスの中で、自分が生きて、演じることが評価されたということなので、本作に携わった全ての方々に心から感謝しております。この作品がいつまでも色あせることなく、生き続けてくれるといいなと思います」と喜びのメッセージを寄せた。