13.3インチのRetinaディスプレイを搭載するMacBook Proが5月に最新モデルへアップデートされた

アップルが5月にキーボードを新しいシザー構造のMagic Keyboardに変更し、標準構成モデルのSSDストレージが前世代モデルの2倍になった13.3インチの「MacBook Pro」を発売した。コロナ渦の後のテレワーク活用に注目が集まるいま、ビジネスの生産性を高めるために新しいMacBook Proを上手に活用する方法を考察した。

すべてのMacBookに搭載されたMagic Keyboard タイピング感を試す

アップルのノートPCは現在、MacBook ProとMacBook Airの二つのシリーズに大別される。MacBook Proはパフォーマンス重視の上位モデル。MacBook Airは薄さと軽さ、そして内蔵バッテリーによる長時間駆動も含むポータビリティが大きな特徴だ。MacBook Proには16インチの大画面モデルもある。

13.3インチのRetinaディスプレイを搭載するMacBook ProとMacBook Airは、画面の解像度とTrue Toneテクノロジーを採用する点も共通している。MacBook Proが優位な点はDCI-P3の規格に準拠する色再現性能を備えることと、画面輝度が100nitsほど高いことだ。プロからYouTuberまで幅広い層の映像クリエイターがポータブルなワークステーションとしてMacBook Proに信頼を寄せる理由はディスプレイの再現性能の高さにもある。

13.3インチのMacBook Proの重量は約1.4kg、筐体の高さも約1.56cmとMacBook Airに劣らず薄く・軽い。そのためビジネスパーソンや学生の中にもパフォーマンスに優れるMacBook Proを選ぶユーザーも多くいる。新しいMacBook Proが搭載するシザー構造のMagic Keyboardは、2019年11月に発売された16インチのMacBook ProのMagic Keyboardとコンセプトや設計は同じだ。

キーストロークの深さは約1mm。一新されたキーキャップの裏側にシザー構造のロック機構を備えたことで安定したタイピング感が得られる。キーの裏側にはさらにアップルがデザインしたラバードームを搭載する。このパーツがクッションとして機能しながらタイピングの力を効率よく伝えることで、スムーズな文字入力を可能にしている。

実機を試してみると、やはりタイピング感は期待していた通りに心地よい。そして何より静かだ。カフェやシェアオフィスなど、静かに作業しなければならない共有スペースでテレワークに打ち込む際にも、タイピング音は控えめに抑えてマナーを守りながら静かに仕事に集中できそうだ。

13.3インチのMacBook Proは全モデルがファンクションキーの代わりにOLED表示のTouch Barをインターフェースに備えている。指紋認証機能を搭載する電源ボタンを兼ねたTouch IDキーは独立配置として、キーに高さを付けたことで誤操作が減らせそうだ。

ノートPCにとって一体のキーボードはディスプレイやトラックパッド以上に、使い心地を左右する重要なツールである。キーボードのタイピング感や細かなレイアウトは人それぞれに好みが分かれる部分であることは承知の上で、MacBookシリーズの全モデルに新しいMagic Keyboardが搭載されたことで選ぶユーザーがまた増えるように思う。

テレワーク活用のために覚えたいMacBookの便利ワザ

新しいMacBook Proをテレワークにも積極的に活用するためのテクニックを二つ紹介しよう。一つはiPadをMacBookのサブディスプレイとして活用する術だ。macOS Catalinaを搭載するMacBook Proは、iPadOS 13に対応するiPadと組み合わせてMacのデスクトップを拡張またはミラーリングしてiPadをサブディスプレイのように使える「Sidecar」の機能が使える。

Mac側の設定はAppleメニューのシステム環境設定にある「Sidecar」を選択して、接続先のデバイスにiPadを選択するだけ。iPadに付属するUSB充電ケーブルで有線接続して、iPadを充電しながらSidecarを使うこともできる。セカンドディスプレイであるiPadにFaceTimeのビデオ通話の画面を待避させると、ビデオ会議中にもMacBook Proのディスプレイが広く使えるのでおすすめだ。

もう一つの術として、ぜひビデオ会議の際にはMacBook Proの内蔵スピーカーを活用してほしい。13.3インチ、16インチのMacBook Proにはハイダイナミックレンジステレオスピーカーと名付けられたパワフルなステレオスピーカーが内蔵されている。

動画サービスを楽しむ際にもダイアローグの明瞭度がとても高いが、これがビデオ会議の際には通話相手の声がクリアに聞こえることにつながる。聞き取りづらい発言を相手に言い直してもらう機会が減るだろう。内蔵スピーカーによる通話は機密性の高い情報を扱う会議には不向きだが、一人で家族もいない時や、またはオープンな内容のビデオミーティングに2~3名のグループで参加する時などにMacBook Proの内蔵スピーカーの活用は効果的だと思う。

13.3インチのMacBookは4モデル構成。どれを選ぶ?

新しい13.3インチのMacBook ProにはThunderbolt 3端子を二つ設けるモデルと、より多く四つ搭載するモデルがある。上位に位置付けられる4ポートのモデルは第10世代のインテルコアプロセッサーを搭載するほか、メインメモリに読み込み速度と省電力性能に優れるLPDDR4を採用する。メインメモリは16GBが標準だが、最大32GBにカスタムアップグレードができる。

ストレージの容量は4ポートのモデルは512GB、2ポートのモデルは256GBをボトムとしてカスタムオーダーによるステップアップができる。本体価格が前世代のモデルから少し手ごろになったことで、2020年モデルの13.3型MacBook Proは「とてもコストパフォーマンスが良い」と評価できるだろう。

今後のビジネスシーンでは、簡易な動画を活用したプレゼンテーションの作成が求められるようになるだろう。MacBookとiMovieなどの動画編集ソフトを揃えて、自身で撮った動画をすばやく編集してファイルを作れる環境も整えておきたい。動画ファイルの保存にも使うストレージ容量はなるべく大きめな方が後悔することもないと思う。できれば512GB以上のSSD内蔵ストレージ搭載モデルを狙いたい。

13.3インチのMacBook Proはスリムで携帯性が良い。一方で在宅ワークの主軸としてMacBook Proの活用を考えている場合、あまり外に持ち出す予定がなければ、iMacよりも省スペース設置ができて画面が広い16インチのMacBook Proを思い切って選んでも良いと思う。(フリーライター・山本敦)