堀江翔太 (c)スエイシナオヨシ 堀江翔太 (c)スエイシナオヨシ

ニュージーランドやイングランドとの同組を回避し、どこか楽観論が漂っていた2019年『ラグビーワールドカップ』。そんなムードは6月17日、完全に打ち消された。プールAで最大の壁となるアイルランド代表が、日本代表を50-22で粉砕したのだ。

ラグビー日本代表×アイルランド代表 チケット情報

日本はスクラムやラインアウトで、後塵を拝した。キックを有効活用し、アンストラクチャー(陣形が崩れた状態)から出足の鋭さで活路を見出したい日本代表だったが、SH田中史朗、SO田村優らのキックは、ただ相手にボールを渡しただけ。6月10日・ルーマニア代表戦で途中出場し、わずか5分でシンビン(10分間の一時退場)となったPR伊藤平一郎は教訓を生かせず、24分に2試合連続となるシンビンに……。数的有利を生かしたアイルランドが3トライ3ゴールの猛攻を見せ、一気に勝負を決めたのだった。

試合後、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチは怒りを隠そうとはしなかった。

「非常に残念な結果だ。今週は過去最高の準備ができていただけに残念。世界4位と対するには、ゲームプランを遂行し、死に物狂いで勝ちにいかないといけない。だが、伊藤がシンビンになり、14人でアイルランドと対峙するのは困難。また、キックから50-50のボールがこぼれた時に、選手が死に物狂いにボールを取りにいけなかった。選手が死に物狂いにチェイスをかけないのは大問題だ。今後、ゲームプランを変えるのか、選手を変えるのか、考えたい」

主将の堀江翔太も「自分たちのミス、ペナルティーで苦しくなった。戦術、戦略、プランに対して自分たちがどれだけできるか。うまくいっていないという感じではなかった。選手は戦術、戦略を100%信頼している。こぼれたボールをマイボールにするという部分ではもう1回、詳細を詰めなあかん」と指揮官に同意する。

大敗の中にも、明るい材料はあった。後半19分に東海大のFB野口竜司が3人のタックルを受けながらもトライを奪うと、36分にはWTB福岡堅樹、その2分後にはSH流大もトライを決めた。

ジョセフHCが「ひとつ誇れることは若手が貪欲な姿勢でチャレンジし、最後にトライを取れたこと」と振り返れば、堀江も「後半の最後、自分たちの形になれば点が取れると証明できた。それを頭からずっとできれば、僕らのゲームになる」とキッパリ。

完敗から1週間。『W杯』前哨戦第2ラウンドで日本がリベンジを果たすのか、アイルランドが返り討ちにするのか。『リポビタンDチャレンジカップ2017』第3戦・日本代表×アイルランド代表は6月24日(土)・味の素スタジアム(東京)にてキックオフ。チケット発売中。