フラワーカンパニーズ photo by 吉田圭子
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フラワーカンパニーズが2020年8月27日(木)に、横浜アリーナで、無観客の有料配信ライブを行う。コロナウイルス禍以降、配信ライブを行うアーティストは多いし、同じ横浜アリーナでも、サザンオールスターズやBAD HOP、超特急が、すでに行っている。

しかし、「お客を入れないから普段よりも小さなキャパの会場で行う」というケースはあっても、「お客を入れないから普段ワンマンを切れない大会場でやれる」という発想をし、それを実行に移すバンドは、おそらくフラカンが初めてなのではないか。

このような「あきらかにどうかしている」アクションをフラカンが起こすのは、「26年やって日比谷野音も売り切れないバンドが挑んでソールドアウトさせた」2015年12月19日(土)の日本武道館ワンマン以来である。それに臨むことを決めるまでの経緯や、今の気持ちを4人に訊いた。前後編に分けてお届けします。

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「自分はツアーでストレスを発散してたんだな」っていうことに、改めて気がついた

── 2月末以降、コロナウィルス禍でライブができない状況になった当初は、まず、どんなことを考えました?

グレートマエカワ まあ、様子を見るしかないし。ただ、ライブができるような状況になったら、すぐやろうというのは決めて、それで休みましたね。だからメンバーと1ヵ月半ぐらい会ってなかったです、たまにメールするぐらいで。

鈴木圭介 スタジオも営業してなかったからね。リハに入れないから。

── その間、何してました?

鈴木 5月末に出したエッセイ本の原稿書いたり校正とか何かで5月上旬くらいまではなんだかんだしてたけど、それ以外は何してたかなあ……。

── 圭介さんは以前から、丸1ヵ月くらい、何にもなくてポカンと空く休みがほしい、ってよくおっしゃっていましたけれども──。

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鈴木 5月がそもそもそういう予定で、今年1月から始めたマンスリー企画の新代田FEVERでのライブ以外は入ってなかった。「ひと月ぐらい休んでもいいんじゃないの?」って僕がずっと言ってたから。リハも入れずに、音楽と離れる時間があってもいいんじゃないかな、31年やってきて、そんな時、一回もなかったから、って。

グレート それで、4月いっぱいでツアーが終わったら、5月は休むスケジュールにして。

鈴木 だから、それをすごく楽しみにして、そのひと月のためにずっとやってきたのに、こんなことになってしまって。だから、何もしてはいないんだけど、休みであって休みでないんですよね、結局。別に何ができるわけでもないし、気持ちが全然休まらないから。

── 圭介さん、映画お好きですよね。ネットフリックス観まくるとかは?

鈴木 1本も観てなくて。ネットフリックスもアマゾンプライムもHuluも入ってるけど、全然観る気が起きない、音楽も一切聴きたくない、本も読めない。何も手につかない。感染者数のニュースを見て「ああ……」って思ったり、そんなんばっかり。

── メンタル的にへこんでた?

鈴木 めちゃくちゃへこんでました。やっぱり不安をあおられるでしょ、ニュースって。今となっては、その報道に疑問も出てきて、多少は冷静に見れるけど、当初はもっと怖い感じだったから。「この先世の中どうなっちゃうんだろう?」っていう。家からも出られないし。

竹安堅一 旅行も行けないしね。

グレート で、しばらくはそんな感じだったけど、緊急事態宣言が出た後、一時期、東京の1日の感染者数が一桁まで減って、これは7月の中盤からの日程、福井と名古屋からはやれるかも、と思って準備をしていたら、また感染者数が爆発的に増え始めて、200人超えたところで「これはやっぱり無理だ」と。

そんな風に、いけるかなと思ったらやっぱりダメだ、っていうののくり返しで。イベンターとかライブハウスのスタッフに動いてもらったのに、「すみません、やっぱりダメです」って言うのがね、なかなかねえ……っていう、けっこう苦い感じが続きましたね。

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ミスター小西 最初のうちは、もっとのほほんとしてたというか。7月ぐらいからはツアーに行けるって信じ込んでたから、それを目標に過ごしてたんだけど、できない状態が続いて。

ライブが好きで、ツアーが好きで……全国を回って、地方にいる人たちに会うとか。そういうのがなくなったことで、「自分はツアーでストレスを発散してたんだな」っていうことに、改めて気がつく、っていう感じでしたね。

── 竹安さんは?

竹安 やっぱり最初のうちは、6月7月ぐらいから動けるっていうイメージでいたから。最近の方がダメージが大きいっていうか、「どうなっちゃうんだろう?」って思いますね。求人のチラシとか見ちゃったり、「あ、近所で短時間で働けるのか」とか。不安がね、ずっと漂ってるっていうか。手につかない、何にも。