今年の春から夏にかけて予定していたワンマンツアー、横浜アリーナでのコンサートなどが、新型コロナウイルスによって全公演が延期または中止となった銀杏BOYZ。
この時期、「人前で演奏をすることができない」というのは、どのアーティスト、舞台関係者にとっても同じ状況ではある。
ただし銀杏BOYZの場合、同時期にリリース予定だった6年ぶりのアルバムも延期。さらには前述のワンマンツアーは、顧みると約15年ぶりにもなるアルバムリリースツアーの側面もあり、実に意味深い公演がいったんキャンセルになってしまったということだ。
当然、多くのファン、関係者は延期となった先までグッと我慢を強いられる日々だが、ここに来て、ちょっと嬉しいサプライズニュースが入ってきた。8月12日、銀杏BOYZがオンラインでライブを行う。
配信はスペースシャワーネットワークが新たに設立したオンラインライブハウス「LIVEWIRE」。すでに多くのアーティストがこの「LIVEWIRE」を介してのライブ配信を行っているが、銀杏BOYZは、なんと前代未聞のスマホ撮影によるライブ配信を行うという。
タイトルもそのままLIVEWIRE「銀杏BOYZ スマホライブ2020」である。配信を目前に控えたボーカル・峯田和伸に、このライブにかける思いを聞いた。
自粛中は、今までになかった「時間」が作れて良かった
ーー新型コロナウイルスで予定していたツアーが延期、中止となりましたが、どんな気持ちで受け入れましたか?
峯田 まぁ、しょうがないよね。だって俺が「ああしろ、こうしろ!」ったって、どうしようもないからね、新型コロナウイルスは。
そりゃさ、こっちだって今すぐにでもライブで、大きな音で、演奏したいですよ。でもさ、「絶対にもう2度とアルバムも出せないし、ライブもできない」ってことではないからね。「1日も早くライブをやりたい」と思うんだったら、だからこそ、今はグッと我慢して、本当に感染拡大が収束するようにするしかないじゃん。
だから、これはしょうがないことだし、それはただただ普通に受け入れただけだったね。
ーー「峯田さん、この時期どうされているのかな?」と思うファンの方も多かったと思いますが……。
峯田 普通にしてましたから(笑)。逆にさ、「外に出られないなら、なんか他のことやってみよう」みたいに、今までになかった「時間」が作れて良かったとも言える。
映画を観たり、曲を作ったりとかね。またさ、この間は「ライブも延期になるし、アルバムの発売日も延期になる。なら、さらにアルバムの音を詰めてみよう」と思ってネバれたのがかなり良かったよ。
レコーディングのことで言えば、俺1人でやれることではないんですよ。サポートメンバー、エンジニアさんとかと向き合ってやる作業だから、何度も中断しながら進めてた。
でもさ、たとえば打ち込みの曲とかは、協力してくれているUCARYさん(UCARY & THE VALENTINE)とメールだけでやりとりしながら詰めていったりして、これが良かった。
こういう時間が取れたことは、実は僕にとってはこの自粛で良かったことですね。普段だったらできないことだし。