“名残惜しい”とか、“あのときに戻りたい”とか、“さみしさ”は、まったくないけど、今も、頭の中のどこかには、『王家』のことがあります。
今でも、家ではよく、『王家』の曲を歌ってるんですよ。
もうすぐ本番が始まる『ピーターパン』では、タイガーリリーという役をやらせていただくんですが、『王家』ほどは、たくさん歌う役どころではないんです。
だけど、ボイストレーニングのつもりで『王家』の曲を家で歌ってます。
家で歌うときは、『王家』の本番中に自分で録音をしていたものを流しながら歌っていて。本番中は、いつも裏声で歌っていたところを、地声で歌ってみたりしています。
ミュージカル楽曲は、自然とミュージカルの発声ができるように作られていると思うので、普通のアーティストさんの曲を歌うのと、やっぱり違うところがあります。
自分で歌っているだけだから、練習といえるか分からないけど。そういうちょっとしたことが、次の何かに繋がればいいかなって思ってます。
ーー『王家』との、そういう繋がりもいいですね。
今後、『王家』の楽曲をまたどこかで披露することはないと思うんです。
だから、誰かに聞かせるためにやっているわけではなくて。でも、ミュージカル楽曲を練習しておくことは、いいことなんじゃないかなって思うんです。
以前、自分で録音したのを改めて聴くと、“ああ、昔よりは少しだけど、うまくなったんだなぁ”って。そういう進化や変化が分かるんです。
この1年間は『王家』の曲ばかり歌ってましたから。
昔はJ-POPが大好きで、流行りの曲はすぐにダウンロードして聞いていたけど、今は、最近の曲もあまり知らないんです。
48グループにいた頃も、自分の学生時代と比べると、流行りの曲を聴くことは少なかったけれど。
でも、歌番組で一緒に出演したアーティストさんの最新曲を“素敵だな”と思ってダウンロードしたり、いただいたCDを聴いたりしていました。
それが、卒業してからは、アーティストさんとの関わりも少なくなって、“歌を歌う”ということから離れすぎていたというか。だから、さみしくて。
それもあって今は、自分が歌える『王家』の曲を歌ってます。
もし、また再再演があって、お話がきたらということも考えて、そのときに“成長できていたらいいな”って。そういう思いも、心の中にあったりします。
ーーずっと同じ楽曲に携わっていると、その曲を歌うことで、その時どきの自分の“声の調子”も分かるのではないですか?
そう、そうなんです!
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