私の中にも“強い”部分はあるけれど、でも、“強さ”にも色んな種類があると思うんです。私の場合は、タイガー・リリーのような、“まっすぐ芯の通った強さ”ではないと、自分では思っていて。
だから、タイガー・リリーの強さを“演じる”ことはできても、そこに自分がもっているものを、どう出すのか、それとも出さないほうがいいのか。
「宮澤佐江が持っている“気質”が出ていないよね」
って、演出家さんではないけれど、他の方から言われたこともあって。でも、それをどうやっていくか、まだ、さぐりながらやっている段階です。
ーーその点、『王家』のときは、舞台の設定は“古代”ではあるけれど、キャロルは、“現代”の女の子でしたからね。
そうなんです。
古代人じゃなくて本当によかったと思っていて。だからキャロルの場合は、役づくりというものを、そこまで意識せずに臨めたんです。だけど今回は、役づくりというものをしないと、成り立たないんじゃないかと思っています。
でも、今までにない経験だからこそ、すごくいい経験になると思うんです。
これから自分を信じてタイガー・リリーを作っていって、本番では完成させたタイガー・リリーを、皆さんに見ていただけると思っています。
本番が始まってお客さまの前に立ったら、魂が生き始めると思うんです。
それが今、自分で見えていて。だからこそ、今は“もどかしさ”も感じながら試行錯誤している、という感じです。
ーーひと口に“ミュージカル”とくくれませんね。毎回、悩みも変わってきますし。
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