ラクマの運営責任者であるECカンパニー C2C事業部 ヴァイスジェネラルマネージャーの長谷川健一朗氏
フリマアプリの中で圧倒的な人気を誇る「メルカリ」だが、ライバルもシェアの拡大を狙って追撃する。メルカリ対抗の最有力は「ラクマ」と「フリル」を運営する楽天だ。メルカリが出品者の手数料を販売価格の10%に設定しているのに対し、ラクマとフリルは“手数料無料”。相当な負担を強いる戦略だが、ラクマの運営責任者であるECカンパニー C2C事業部 ヴァイスジェネラルマネージャーの長谷川健一朗氏は、「フリマアプリの将来性を考えれば必要な投資」と語る。
“手軽さ”が好循環生む フリマアプリ急拡大の背景
そもそもフリマアプリはなぜ急速に拡大したのか。長谷川氏は「スマートフォンおよびモバイルアプリの普及で、手軽に出品・購入できるようになったのが最大の要因」と分析する。
「手軽ゆえに出品数はどんどん増える。すると、購入したいユーザーの検索機会が増え、流通金額も増える」。出品と購入の両輪が回らないことには成立しないCtoCサービスだが、今回のムーブメントはこの相互循環がうまく機能した。その結果、雪だるま式に市場がみるみる大きくなったとみる。
また、オークションよりスピーディに現金化できる点も支持を集める要因だという。長谷川氏は「欲しい商品を購入するための軍資金をつくる目的で利用しているユーザーが非常に多い」と、ブームの中心にいる若年層の行動様式の変化を指摘。6月末に即座に手元にある品を現金化できる質屋アプリ「CASH」が話題になったのは記憶に新しい。現在の若年層にとって、「即現金化」に対する関心度は非常に高いようだ。
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