「第33回東京国際映画祭」のクロージングセレモニーに出席したのん(c)2020 TIFF

 「第33回東京国際映画祭」のクロージングセレモニーが9日、東京都内で開催され、観客賞を受賞した『私をくいとめて』に主演したのんと大九明子監督が登壇した。

 今年は、コンペ部門がなく、ショーケース部門「TOKYO プレミア 2020」の中から、観客の投票によって選ばれた観客賞が唯一の賞となった。

 のんは「このようなすてきな賞を頂きありがとうございます。毎年設けられている賞だと思いますが、今年は唯一の賞ということで、観客の皆さんに応援いただいた作品ということを、うれしく思っております」と目を輝かせながら喜びを語った。

 その後、のんは大九監督と共に受賞者記者会見にも出席。「映画とは? 女優業とは何ですか?」と尋ねられると、「私は本当に女優のお仕事が大好きで、一生ここにいたいと思っています。10代のときに一度、もし女優をしていなかったら何をしていたんだろうと考えたことがありましたが、何も思い浮かびませんでした。実家にいる妹に尋ねてみたら、『その辺でのたれ死んでいると思う』と言われて、やばいやばいって。これは自分の生きるすべだと思って気持ちが固まりました」と語った。

 また、「主演映画というのは本当に特別です。まずたくさん出番があって、一番せりふがある。ずっと大好きな演技をしていられるということが至福です。また、映画は、本当にたくさんの方々の技術と脳を集結させて一つのシーンを作り上げていく。たくさんの人が一点を見詰めて同じ目標に向かっていくという感覚が本当にたまらないです。主演はもちろんくたびれることもあるけど、いいものが撮れたときの感覚は他では味わえないです」と語った。