主演の長澤まさみ

 映画『散歩する侵略者』の完成披露上映会が8日、東京都内で行われ、出演者の長澤まさみ、松田龍平、長谷川博己、高杉真宙、恒松祐里、前田敦子、満島真之介、児嶋一哉、光石研、黒沢清監督ほかが登壇した。

 本作は、劇作家・前川知大氏率いる劇団イキウメの人気舞台を映画化。数日間の行方不明の後、夫が「侵略者」に乗っ取られて帰ってくるという大胆なアイデアをもとに、日常が異変に巻き込まれていく世界を描いたサスペンス、アクション、そして究極のラブストーリーとなっている。

 主演の長澤は、冒頭のあいさつで「この(イベントの)チケット、15秒で“即完”したらしくて…。とてもうれしかったです。ありがとうございます」と感謝を述べた。

 劇中では、夫が侵略者に乗っ取られた妻・加瀬鳴海を演じた長澤。「鳴海という人は大半が怒っている。怒るという感情はとてもエネルギーを使うものなので、それがすごく大変でした。精神的にも肉体的にも疲れて、不思議な感覚にとらわれた記憶があります」と撮影での苦労を振り返った。

 そんな長澤の怒りを一身に受けた夫役の松田は「撮影の最初の方は、ずっと怒っているので本当に怖くて…。でも何で(相手は)こんなに怒っているんだろう…?という気持ちが、宇宙人とリンクするものがありました」としみじみ。

 役作りもしなかったと言い「(そもそも)宇宙人がよくわからなかった。撮影前に、黒沢さんに『宇宙人って何ですかね?』と聞いたら、『ちょっと僕も分からない』と言われてしまい、それはそうだろうなと…。概念に縛られない、すごく自由な役というのだけを(頭の中に)持って現場に入りました」と当時の心境を明かした。

 一方、ジャーナリスト・桜井を演じた長谷川は、自前のサングラスで撮影に臨んだエピソードを披露。撮影当日、急きょサングラスを掛けることが決まったが「衣装さんが持って来たものがあまりハマらなくて、たまたま買ったばかりのサングラスを掛けてみると、それが一番いいですね!となった。それを結構なアクションシーンでも使ったのでボロボロになってしまって。ああ、3日前に買ったばかりなのになって…」と嘆いて笑いを誘った。 

 映画は9月9日から全国ロードショー。